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ウイングマン ウインドプラス編
■大凶のインパクト
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子が救った。
美紅の前に盾になるように立ちはだかって風を防いだのだ。
少し風が止んだお蔭で、美紅はなんとか立ち上がることができた。
「桃子ちゃん、ありがとう。もう大丈夫」
その言葉に少し桃子もホッとした。
しかし、それで気が抜けたのか強風でバランスを崩してしまった。
踏ん張ろうとしたのだが、すべって豪快にこけてしまった。
「桃子ちゃん!?」
こけた桃子のスカートがめくれてしまい、お尻が丸出しになっていたのだ。
「いや〜ん」
桃子は慌ててスカートでお尻を隠した。
しかし、強風の中では起き上ることもままならない。
そこで、今度は美紅が桃子の前に出て盾になった。
ただ、美紅はさっきまでのアクティブな動きはできなくなっていた。
何と言っても、桃子が飛ばされたばかりなのだ。気を抜くことはできない。
桃子も美紅のお陰で立ち上がることができた。
しかし、この状況からどう脱すればいいのかわからない。
「ど、どうしよう……」
美紅は桃子の顔を見た。
「こんなんじゃ戦えないよ……」
今の2人にとってはこの強風は天敵以外の何ものでもなかった。
しかし――
「なんて、言ってられないよね」
そう言って少し引きつりながらも桃子ほほ笑んだ。
2人には戦わない選択肢はなかった。
「うん」
美紅も大きくうなずいた。
「とにかく取り押さえましょ! 2人でやればなんとかなるわよ!」
しかし、さっきの状況でも捕まえられなかったのだ。
それなのにスカートを気にしながら袋を押さえることができるだろうか。
今までのように大きく動きまわることはスカートの下が晒される危険が高まることを意味していた。
しかも、この強風は何もしてなくてもスカートがめくれる可能性も高い。
それにこの強風、というか暴風。
さらに、背後には一眼レフを構えてシャッターチャンスをうかがう久美子がいるはずだ。
それでも、この状況を打破するにはやるしかなかった。
2人は分かれて、袋を取り押さえにかかった。
しかし、風に阻まれて、まともに近づけなかった。
やはり強風にめくれるスカートを気にしながらは無理があった。
「そりゃあそうよねえ、無理があるわよねえ……」
久美子はビル影から2人の様子をのぞいきながら思った。
しかし、自分の存在が2人の動きをさら制限しているなんて考えもしなかった。



3.
戦いに転機が訪れたのはそれから間もなくのことだった。
スカートを気にしながら、袋を押さえるチャンスをうかがっていた美紅と桃子は、しかし何もできないまま手をこまねいていた。
そこに――
ドスーン!!!
大きな怒号と共に空から何かが落ちてきた。
まるで袋を踏みつぶすかのように袋の真上に落ちたのだ。
地響きと砂埃をが収まった。
同時に暴風も落ち着いた。
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