31:一生後悔するよりも
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すぐに確認したいことがあるんだ! すぐ戻るからアスナ達はここで待機を――」
「キリト君」
凛と張った声が俺の声を上書きした。
真剣な顔のアスナが、俺の前へと一歩進み出ていた。
「死神の事……分かったの?」
「…………っ」
俺は少し、逡巡してから頷く。
「誰が犯人かは……まだ、確証が無いから言えない……。けど、大鎌の謎は、アルゲードに戻って確認さえ取れれば……」
「――なら、その間、わたしが死神を押さえる」
表情を変えず、彼女はハッキリと言った。
「アスナ……!?」
「キリト君がアルケードに行って戻ってくるまでの間、わたしが死神を探して惹きつけておく。今この瞬間も、死神に襲われているプレイヤーが居るかもしれない。その人達を、このまま待機して放っておけないよ」
「危険だ! 殺されるかも知れな――……っ!?」
その時、チカッと何かが煌いた。…………かと思った次の瞬間。
不適に微笑む、アスナのレイピアの切先が、俺の喉元でピタリと止まっていた。
「――なんでわたしが負ける前提で話を進めてるのかな? ……わたしはこれでも、SAO最強のギルド《血盟騎士団》の副団長、《閃光》のアスナだよ? ――死神なんかに、わたしは負けない」
「アスナ……」
俺が情けない声を上げると、それにアスナは微笑みを優しげなそれに変え、レイピアを鞘に収めた。
「どうしても心配なら、すぐに確認を済ませて、すぐ戻って来ればいいんだよ。――誰よりも迅い、その足で」
「…………分かった。すぐに戻る。だから、くれぐれも気をつけてな……」
「うんっ!」
こちらもが勇気付けられるような、輝く笑顔で頷いたアスナは、リズベットとシリカの方へと向いた。
「……こういう訳だから、二人は村に退避しててくれないかな? わたし達は大丈夫だから、ね?」
「「……………」」
しかし、二人の返事はなかった。
「……二人共?」
二人は尚も沈黙し……
突然、互いにそのまま目を合わせたかと思うと、シリカがリズベットに頷いた。
そして、リズベットは……右手に持つ戦鎚をそのまま持ち上げ、アスナの眼前までグイッと突きつけた。
「リズ……?」
しかし、リズベットはアスナの言葉を無視した。
「シリカ」
「はい」
隣のシリカが表情を変えず答えた。
「このニブチン達に……あたし達の本音、言ってやりなさい」
「はい!」
シリカは俺達の前に進み出て、言った。
「――……あなた達が、心配なんですっ!」
「「……………」」
今度は俺とアスナが黙り込み、あんぐりと口を開ける。
それにシ
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