手術
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生来の生真面目さが仇になりそうで妙に不安にもなる。誰か近くで支えてくれる人を見つけられれば良いが……。
「……ところでクロノ、俺の知らない所で何か事件に遭遇したのか? それともアンデッドに襲われたのか?」
「は? 僕は別に事件と遭遇してないし、アンデッドとも戦ってないけど……どういうこと?」
「だっておまえの背中……血まみれだぞ」
「へ!? ――――な、なんじゃこりゃぁああああ!!?」
自分の局員服にべっとりこびりついた、真っ赤な血の跡を目の当たりにしてクロノが絶叫する。さっきから通り過ぎる局員達がクロノを見る度にぎょっとしていたのだが、この様子から彼は原因を知らなかったようだ。
「お、おかしい……! 僕はペンキ塗りたてのベンチとかに座った訳でもないのに、どうして……!?」
『じぃ〜…………』
「ッ!? ち、違う! 僕は無実だ! 僕は何もやってない!!」
「クロノ……あなたが私の知らない所で手を汚していたなんて……母さん悲しいわ」
「母さん!? だ、だから僕は何もしてないッ!」
「クロノ君……なのは悲しいよ。ずっと……ずっと真面目な人だと思ってたのにぃ!!」
「誤解だ、なのは!? 逃げないで話を聞いてくれぇ〜!?」
「こちらエレン、これより容疑者を確保いたします。over」
「もうわかっててやってるだろう、エレン!? その面白くて吹き出しそうに歪んでる顔が全てを物語ってるぞ!!」
「クロノ……私、君はそんな人じゃなかったと思ってたんだけど……」
「見ちゃダメだよ、フェイト。残念だけど、クロノはもう手遅れなんだ」
「フェイト!? アリシア!!?」
「ええっと……わ、ワ〜、タイヘンダ〜クロノガ〜」
「アルフはもう適当だな! わざわざ流れに乗らなくていいから!」
「あ、ごめんなさいね。それ私の鼻血だから」
「もう大体わかってたけどね、プレシアさん! それとこんだけ鼻血出して大丈夫なんですかねぇ!?」
「お? そこで他人の気遣いが出来るようになっとる辺り、クロノ君もちゃんと成長しとるようやな。師匠として微笑ましい限りや」
「そもそもはやては僕の師匠になった事が無いだろう!!」
遊びだけど四面楚歌な状況に追い込まれて叫びまくるクロノの姿を見て、俺は思った。
「冤罪って……恐ろしいな」
さてと、全時空万能航行艦『ラジエル』は、外見は無骨ながら丸みを帯びた最新鋭の設計で、よく見ると小型砲台やアルカンシェルとは違う主砲もあり、緊急時に展開出来る様にタービン型熱核エンジンや可変ウィングが格納されている事から、管理局の戦艦にしては格闘戦などの性能も重視している雰囲気だった。アースラを始めとした管理局の
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