手術
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の過去はともかく、はやて達が覚悟を決めたのなら、前回の闇の書事件に関わる彼女達にも、はやて達の処遇や今後の話をしておく必要がある。
そしてマキナの事も、ケジメを付けなければならない話がある。ねじれてしまった悲しみと憎しみの鎖、それを自然な形に解き放つためにも……。
「そういえばサバタ。疑問に思ってたんだけど、君と一緒に脱出したはずのリーゼ姉妹の姿が無いのはどうしてだ?」
「む、クロノには連絡が届いていなかったのか? エレンがアレクトロ社の不正や癒着の情報をネットに流した事で、市民から対処を迫られた管理局はこれ以上の立場の悪化を防ぐために、アレクトロ社の施設全てに強制査察を行う事になった。その査察任務がリーゼ姉妹にも届けられたため、任務を承諾した二人はラプラスから転移魔法で別行動をとったんだ。ちなみに二人が担当するのは、俺が潜入したあの施設だ」
脱出当時、リーゼ姉妹に通信が入ってエレンがやった事を知ったのだが、その時にリーゼ姉妹があまりの社会的抹殺方法に青ざめていたのが印象的だった。それはそれとして、任務を請け負ったリーゼ姉妹は転移間際にマキナを俺に託すと言って来ていた。
『マキナに必要なのは、私達では無くあなた。彼女をあそこから救ったあなただけなのよ、サバタ。私達じゃあ、本当の意味でマキナの心を支えられないから……』
『押しつけがましいのは百も承知してる。だけどさ、サバタならきっと大丈夫だって、マキナに太陽を取り戻せるって、根拠も無いのに信じられるんだ。だから……お願い!』
そういう事で、マキナが俺を絶対的な味方として認識している事をリーゼ姉妹が本心から認め、転移していった彼女達は俺にマキナを託した。まぁ、せっかく助けたのに後を放り出すつもりは無かったから別に構わない……。
「そうか、二人が行ったという事は物資搬入口で強制労働をさせられていた、管理外世界の人達もこれで助かるんだな。元の世界に帰れずに無理やり過酷な環境で働かされていた彼らには、管理局員として申し訳ない気持ちでいっぱいだ……」
「救出した所で、今度は管理局へ彼らに対する賠償責任などが問われるのだろうが……そこは俺には関係ないからどうでもいい」
「僕達にとっては頭が痛い案件なんだけどね。ちゃんと話して和解できるのが最も良いんだけど、きっとそう簡単には行かないんだろうなぁ……。でも、今度こそ彼らはちゃんと元の世界に返すつもりだ。そこは約束する」
「そうしてくれ。少しは役に立つ所を見せてもらわないと、管理局とはその程度の組織だと思って、あきれ果ててしまいそうだ」
「そうだな……せめて君に見限られないぐらいまでは、名誉回復を果たしてみせるよ」
ぐっと拳を握って力を入れるクロノの様子を見ていると、ある意味頼もしく見えるんだが……
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