■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆冒険の始まり
第七話 新たな仲間
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
者が弱者を討ち滅ぼそうとしているようにしか見えなかったのだ。
左手に構えた投げナイフはウサギの耳をかすめ、背後の狐の鼻面に直撃する。クリティカルヒットを示す赤いライトエフェクトが煌めき、狐は標的をマルバに変更した。
マルバは敵の攻撃を待つと、その突進攻撃をいなしてからその横っ腹に素早く『パラレル・スティング』を打ち込んだ。さらに引いた左手から基本体術スキル『閃打』を打ち込む。一気にHPを四割削りこんだ。
もう一度の突進攻撃。ふわりと躱すと、『リニアー』の初期モーションをとって……
突進を躱された狐は本来ならその場で一旦止まり、ターゲッティングしていた敵の位置を探すはずだったのだが、狐はそこで止まらなかった。すこし先で立ち止まっていたウサギに向かって突っ込んでいく。
「……ッ!!」
マルバは『リニアー』を途中で回避するとその場で地面を蹴って覚えたての体術スキル『弦月』を放った。空中でバック転をしながら縦蹴りを繰り出す。無防備の背中に見事命中し、狐はスタン状態になった。
そのまま短剣を構えて『スライスエッジ』。腕を強く引きつけて『閃打』。さらに二・三発殴りつけて狐はようやく倒れた。そのままエフェクトを散らす。
「ふぅ……。ん?」
二割ほど減ったHPをポーションで回復させながらふと後ろを振り返ると、先程のウサギがまだ逃げずにこちらを見ていた。
本来プレイヤーと接触したらすぐに逃げ出すはずのモンスターなのだが、モンスター同士の戦闘にプレイヤーが参戦したためにAIに負荷がかかったのか、その場を動こうとしない。
マルバはウサギに一歩近づいてみた。硬直が解けたかのように後ろに飛び退くウサギ。しかし、少し遠くで立ち止まり、やはりこちらをじっと見つめている。
マルバはウサギに背を向けて戦利品の確認を始め、少したってもう一度振り返ってみた。するとそろそろと近づいていたウサギがびくっとしてまた後ろに飛び退く。まるでだるまさんがころんだをしているような気分になる。
「うーん……。君、もしかして一緒に来たいの?」
なんとなく話しかけてみるけれど、もちろん答えはない。その代わりに数歩近寄ってきた。
マルバはここに来る前にヒマワリの種(もどき)をおやつにと思って買ってきたことを思い出して、ちょいちょいとオブジェクト化してウサギに放ってみる。目を輝かせてそれを頬張るウサギ。それと同時にモンスターのカーソルが戦闘態勢をあらわす赤から緑に変化する。餌付け成功の証だ。マルバの視界、HPバーの右隣にごくごく小さなHPバーが出現する。
ウサギがヒマワリの種をもぐもぐやっているのを微笑ましく見守っていたマルバはカーソルやHPバーの変化には気づかなかったよう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ