第十五話 【NARUTO編】
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ジンと一緒にいた筈なんだ。
それが今、見知らぬ場所で全く別人といってもいい姿でここに居る。
『マスターですか?』
「え?」
突然何処からか掛けられた聞き覚えのある声。
「ソルか!?」
『ここです』
近くの棚のうえに二つの宝石が並べて置いてあった。
ソルとルナである。
俺とソラは彼女らに駆け寄ると問いかけた。
「ルナ!」
『マスター』
ルナもソラを見つけ声を上げた。
「ソル、これは一体どういうことか解るか?」
『良かった記憶が戻られたのですね』
そう言ってからソル達は今のこの状況を説明した。
彼女達は気が付いたら女性の胎盤で腹の中にいた俺達の手に握られていたらしい。
その後俺達はソル達をそれぞれ握り締めたまま出産。
母親であるうちはチカゲはそんな不思議な彼女らを守り石としてずっと捨てずに居てくれたようだ。
彼女の意識が俺達に向いてないうちに何度か俺達に話しかけてみたが自分たちを知っている様子は無く、愕然としたらしい。
それから俺達の安否は確認されずに心配していたが。今まで喋る事なく目の前の子供(俺達だが)を見守ってきてくれたそうだ。
ソル達の話では、此処は火の国、木の葉隠れの里の近くにある森の中にある家で、この世界には忍者と言われる者達がいるらしい。
母であるチカゲが5年ほど前に大怪我を負い、合併症を引き起こし、いつ死んでもおかしくない状況だった事。
最近では死期を悟って俺達に厳しく忍術修行を施していた事。
そして最後に俺達を操り、万華鏡写輪眼を開眼させる為に自身を殺させる計画を実行した事。
棚の上に置かれていたソル達は、彼女の独り言のような計画をその耳で聞いていたそうだ。
「つまり倒れている彼女が俺達の母親だという事か?」
『はい』
ソルの返事に俺達は女性に近づき手を取った。
「死んでる…」
「そんな!」
『彼女はその身を賭してマスター達に万華鏡写輪眼なるものの開眼を望みました』
「うん」
さっきのあれが万華鏡写輪眼だったのだろう。
もう一度使おうと思えば開眼できるだろう。
なんとなくだが体が覚えている。
我が身に起きている事を未だに総て理解しているわけでは無いが、とりあえず。
「埋めてあげようか」
「うん」
俺とソラは家の外を見渡し、見晴らしのいいところに家の中から見つけてきたシャベルで穴を掘り、母親の亡骸を埋めた。
子供の体では大変な作業だと思われたが、全身の精孔はすでに開かれており、オーラを使うことで比較的簡単に埋葬する事が出来た。
最後にソルから教えてもらった事だが、俺の名前は『神咲アオ』と言うらしい。
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