第五章
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「よかったな」
「全くだ、じゃあこれからはな」
「飯食ったしな」
「暫く休んでな」
この高原の頂上でというのだ。
「それからだな」
「もう帰るんだな」
「そうするか?」
そして帰りのその道の風景を楽しもうというのだ。
「後は」
「そうするか」
「それで後はな」
「晩飯食ってか」
「腹一杯食ったから軽くでいいか」
その夕食はというのだ。
「それで飲むか」
「今度は酒だな」
「何処行く?夜は」
「バーでいいんじゃないか」
ジーンは笑ってロバートに答えた。
「いつも通りな」
「バーか」
「そこでカクテル飲もうぜ」
ジーンは敷きものの上で左足を伸ばし右足を折ってそこに右手を乗せたリラックスした姿勢で足を組んで座っているロバートに言った。
「夜はな」
「それがいいか」
「それかあたしの部屋に来いよ」
ジーンはくすりと笑って自分から誘った。
「そこで楽しむやろうぜ」
「夜を過ごすっていうんだな」
「二人でな」
「そうだな。バーもいいけれどな」
ロバートはジーンの言葉を受けてこう返した。
「今夜はな」
「あたしの部屋でな」
「シャワー浴びてすっきりした後でな」
「飲もうな」
「途中の酒屋で適当に買ってな」
「あてはあたしが軽く作るよ」
夕食を兼ねて、というのだ。
「そうしような」
「そうだな、じゃあな」
「あたしの部屋でな」
夜は過ごそうと話した、そしてだった。
二人は食後の一時を穏やかに過ごしはじめた、だが。
ここでだ、二人のところに。
一匹の犬が来た、その犬はというと。
コリーだった、コリーは尻尾をぱたぱたとさせて二人のところに来た。ロバートはその彼を見て目を瞬かせて言った。
「犬か」
「ああ、誰か飼ってる犬か」
「俺達以外にもここに来てる人いるのか」
「そうなんだろうな」
ジーンもそのコリーを見つつ応える。
「やっぱり」
「そういえば首輪あるな」
ロバートは犬の首をここでチェックした、コリーの長い毛の間に隠れているがそれは確かにあった。
「それじゃあな」
「他の人が連れて来た犬だな」
「だろうな」
こう二人で話しているとだ、ここで。
コリーはジーンのところに来た、そして。
ジーンに尻尾をぱたぱたとさせたままじゃれついてきた、そのコリーをだ。
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