第一章
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高原で
ふとだ、ロバート=オークスは仕事の同僚であり交際相手でもあるジーン=ストラートスにこんなことを言った。
ロバートは背が高く逞しい身体をしている、トラックの運転手らしい体格とよく言われている。だが顔立ちは童顔でくすんだ金髪を短く刈り目は穏やかな緑の光を放っている。顔立ちは彫があまりなくアジア系に似た感じだ。
ジーンは銀髪を長く腰まで伸ばしていて鋭い目の色は青だ。肌は白く透き通る様で背は一七〇を越えていて足も長い。
鋭い目を持っている顔立ちは鼻が高く細面だ。唇は細く薄く引き締まっている。眉は見事なカーブを描いていて精悍な整いを見せている。その彼女にだ。
ロバートは昼食の時にだ、こう言った。
「今度さ」
「ああ、何だよ」
ジーンはロバートに男勝りの口調で応えた、その手にはチキンナゲットがある。
「今度って」
「今度の休みさ」
その時にとだ、ロバートはジーンにさらに言った。
「高原に行かないか?」
「高原?」
「ああ、季節的にもいいしさ」
「六月だしか」
「丁渡いいだろ」
「ここは寒いけれどな」
二人はモントリオールの運送会社に勤務している、そこから近辺にものを郵送しているのだ。だがその六月のモントリオールはだ。
比較的気候が温暖で過ごしやすい、それでロバートも言うのだ。
「六月だからな」
「いいっていうんだな」
「ああ、高原に行かないか」
ロバートはまたジーンに言った。
「これからな」
「いいんじゃねえか?」
ジーンはハンバーガーを食べるロバートにこう返した。
「あんたがそう言うんならな」
「ジーンはどうなんだよ」
「あたしは何処でもいいんだよ」
ジーンはチキンなゲットを食べつつロバートに答えた。
「結局のところな」
「どこでもか」
「ああ、いいんだよ」
また言うジーンだった。
「それでな」
「そうか、それじゃあな」
「行こうな」
微笑んでだ、ジーンはまた言った。
「高原にな」
「そこで景色を見たりな」
そうして、というのだ。
「のどかに過ごすか」
「おいおい、いつもみたいに飲んだりしないのかよ」
「高原でか?」
「あたし達いつもそうだろ」
デートといえば、というのだ。
「バーとか行ったりしてな」
「だから今回はな」
「趣向を変えてか」
「そうだよ、高原でな」
「ピクニックか」
「俺もそう思って言ったんだよ」
休日のデートの行き場所にというのだ。
「悪くないだろ」
「それもそうだな」
「それじゃあな」
「よし、じゃあ料理はな」
ジーンは微笑んでだ、こうも言った。
「あたしが作るからな」
「おっ、そうしてくれるか」
「楽しみにしとけよ」
笑ってだ、
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