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命の危険と人殺し
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く、考えてみろ。お前は人が死ぬのを見てきてどう思ってきたんだ?悲しんだのか?それとも自分じゃなくてよかったか?違うだろ、お前が思ったことは」

「俺は、死んだプレイヤーたち泣いてはないがを悲しみはあった!俺はその人たちに敬意を表しているし、その人たちの意思を継いでいってんだ!」

 ゲツガは叫ぶ。しかし、声は言った。

「違う、お前はそう思っているが、奥底のほうで自分がこいつらを殺したかったと思っただろ?お前は人が死ぬのを見て、そう思ってたはずだ」

「そんなこと、思ったことはねぇ!!」

「いいや、思っている。お前は自分の中にある狂気すら自覚できていない。それに、最後のあいついただろ?あいつを殺したのは俺じゃなくてお前だ」

 そう言われた瞬間、背中に嫌な汗が噴出すような感覚に襲われる。

「俺は、最後にお前に体の主導権をちゃんと返したぜ。しかし驚いたぜ。止めろって言いながら自分で殺すのを見たときは傑作だった」

「嘘だ……違う……」

「違わないぜ。俺は最後は何もしていない。それはお前が気付いているはずだろ?斬った感触がまだ腕に残ってるのが」

「違う……俺は何もしてない……」

「あれはお前がやったんだ。自分の中の狂気に逆らえずにそのままプレイヤーを殺したんだ」

 その言葉を聞いて何もいえなくなる。すると声は満足そうに言った。

「分かったならいい。じゃあ、また呼んでくれよな。楽しみにしてるから。あ、あと対価も頂いておくからな。まあ、今回はペインアブソーバにしとくよ」

 そう言って声が聞こえなくなる。そしてようやく体が思うように動かせるようになると、近くの木により、背中を預けるとストン、と体を落とす。俯きしばらくその状態でいる。自分の手を見る。特に変った様子はないが、モンスターや破壊可能オブジェクトなどを斬ったときとは違う感触が腕にはあった。人を初めて殺した感触だ。

「俺……手が汚れちまったよ……」

 その頬には、月の光で輝く水滴があった。


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