命の危険と人殺し
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時はしばらく経ち、三十九層の迷宮をマッピングしていたゲツガは疲れてきたので、安全エリアで休んでいた。
「ふー、今回は中々広範囲をマッピングできたな。偉いぞ俺」
一人で自分の仕事の効率がよいと褒める。しかし、自分が自分を褒めているのはなんかおかしいし、むなしく感じる。なんだか俺って一人だけ張り切りすぎてないか、とか思ったがこれも立派な仕事の内と自分に言い聞かせ、再びマッピングをするためにダンジョンの奥へと進んでいった。
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十階までのマッピングが終わり、時間も日が沈んで相当経ってることに気付いたゲツガは、今日は切り上げることにした。転移結晶を使うのがもったいないため、歩いて帰る。しかし、それがゲツガの運命を大きく変えることも知らずに……
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暗い夜道、遠く見える街の明かりを目指してとぼとぼと歩いていた。モンスターは出ず、楽に帰れると思っていたがその考えが甘かった。いきなり後ろに、ドスッという何かが刺さった感覚の後、体が急に言うことを聞かなくなり、その場に倒れこんでしまう。
「な……なんだ……よ、こ……れ……」
素早くHPのバーを確認すると、緑色に点滅している。麻痺毒になっている。
「よーし、今回は上物だぜ」
何処からとも無く、声が聞こえた。首だけで見渡すと後ろに十もの数の人影が見えた。
「おいおい、こいつはホワイトバレットさんじゃねえか。いいねー、殺しがいがあるよ」
そう言って出てきたのは、緑色のアイコンではなくオレンジのアイコンをした、犯罪者プレイヤー。そして一番先頭に立っていたリーダーらしき男が目の前まで近づき、しゃがんで言った。
「初めまして、オレンジギルドの《ペインフレイム》って言うもんだ」
「オレンジ……ギルドが……俺に……何……のようだ……」
麻痺でうまく口が動かないが頑張って声を出す。それを聞いたペインフレイムのメンバーは腹を抱えて笑い出す。
「こいつ、なに言ってんだ」
「アホじゃねえのか」
「ははははは、はっ、はー、はー、はー。……お前自分がどんな状況かわかってんのか?」
リーダーがそう言う。今は麻痺になってまだ解けない、解毒ポーションを使おうとすると、ポーチに伸ばした手を踏まれる。
「ガッ!!」
「お前この後、どうなるか俺が優しく教えてやろうか?」
リーダーの男がニヤニヤしながら言ってくる。そして言った。
「お前は麻痺が解ける前にいたぶられて死ぬんだよ。そのときにお前が死ぬ間際にどんな顔を想像しただけでもゾクゾクしてくる」
下衆が、と思うがまだ麻痺が解けるのに三十秒もある。こいつらは、攻略組には及ばないが中々の強さだと
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