第一章
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皇帝の楽しみ
ナポレオンは日々激務に追われていた、皇帝であるから当然だがとにかく戦争だけでなく政治のことでも多忙だった。
日々書類にサインをして政治を見ていた、その為かなり疲れが溜まっていた。
その彼のストレス解消方法はだ、何かというと。
「えっ、これからですか」
「またですか」
「そうだ、入る」
ナポレオンはこう従者達に言うのだった。
「気分転換、そして疲れを癒す為にな」
「お風呂にですか」
「入られますか」
「そうだ、そうする」
これからだ、入浴するというのだ。
「湯の用意をしておいてくれ」
「今日は朝入られていますが」
「再びですか」
「入られるのですか」
「身体を清潔にし疲れを癒し温めてくれてだ」
そして、というのだ。
「悪いことはないからな」
「わかりました、では」
「すぐに用意します」
「しかしです」
「政務の方は」
「わかっている」
そのことは言うまでもないとだ、ナポレオンは従者達にはっきりと答えた。
「私が風呂に入っている間もな」
「報告、そして新聞を読むことはですね」
「そのことはですね」
「行ってもらう」
何しろ多忙な身だ、入浴中もそれを忘れてはならないのだ。
それでだ、従者達にもそのことははっきりと答えたのである。
「いつも通りな」
「はい、では」
「その様に」
「風呂にはシャンパンを入れてくれ」
ナポレオンはこのことを言うことも忘れなかった。
「是非な」
「はい」
「それでは」
従者達はそのことにも頷いて風呂を用意した、ナポレオンは傍で新聞を読んでもらい各国の情勢を聞きながら風呂を楽しんだ。そして。
風呂から出て暫く経ってだ、彼はまた言った。
「よし、まただ」
「お風呂にですね」
「入られるのですね」
「また入りたくなった」
だからだというのだ。
「だからだ」
「はい、では」
「また用意しますので」
「暫くお待ち下さい」
「頼む、やはり風呂はいいものだ」
ナポレオンは笑みを浮かべてこうも言った。
「身体を奇麗に出来る、しかもな」
「疲れを癒せてですね」
「リラックスも出来て」
「いいものだ、だからだ」
それで今回もというのだ。
「また入ろう」
「今度もシャンパンを入れますか」
「そうされますか」
「いや、今回はいい」
風呂にシャンパンを入れずともというのだ。
「そのまま湯に入る」
「では」
「このまま」
「しかし、今日は特にな」
風呂は楽しみにしている、だが。
ナポレオンはここでだ、顔を顰めさせてこうも言ったのだった。
「どうもな」
「ああ、今日はですか」
「特になのですね」
「そうなのだ」
こう従者達
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