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Fate/Modification 〜13人目の円卓の騎士〜
第1部 旅立ち
第1話 タイムスリップ
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を着て椅子に座り、作りの古い本を読んでいた。

ベッドの上で土下座した俺を見て、少女は慌てて土下座を辞めさせた。

「私の名はアルト…んんっ、アーサーといいます。
義父であるエクター卿の元、騎士になる為に修練を積んでいます」
「アーサー…アーサーって男性名だよな?
君は女の子じゃ……」
「その件で、貴方に頼みがあります。
…私が女である事を、誰にも言わないで欲しいのです」

性別を聞かれたアーサーは苦虫を噛んだように顔を濁し、そう告げた。

「古今東西、女の身で騎士になる事は滅多にありません。
義父も義母も、それを弁えた上で、私を男として扱ってくれました。
ですが、我が家の従者や義兄はそれを知りません。
…お願い致します、私が女である事を、誰にも喋らないで欲しい。
義兄が知れば、必ず私を騎士にしようとはしないでしょう。
ですから…」
「わ、わかった…。 お前にも事情があるって事だ。
この事は胸にしまって…いや忘れる事にしよう。
それでいいんだろ?」
「……感謝します。
処で、貴方の名をお聞かせ願えませんか?」
「名前? ああ、俺の名前は……………あれ?」
「如何しました?」

おかしい。
自分の名前が思い出せない。
それどころか師匠と会う前の記憶がぽっかり無くなっている。

「……悪い、名前が思い出せない」
「え?」
「自分が何者で何をしていたかも覚えてるんだが……名前と昔の事がまったく思い出せない。
……すまん」
「……もしかして、私の蹴りで記憶が……」
「いやいや、それなら殆ど覚えてないだろ。
記憶が虫喰いって事は……ああダメだ、状況判断出来ない。
そもそも此処はどこなんだ?」
「我が義父、エクター卿の屋敷ですが……」
「……そう言えば、今西暦何年なんだ?」
「……西暦? なんですそれは」

……師匠、どうやら俺はとんでもない場所に来てしまった様です。


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