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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story9 儚き散り行くは・・・。
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エミリアはパチン!と指を鳴らし、その音が合図だったかのように全ての
騎士
(
ナイト
)
の体がグニャリ、と曲がったかと思うと再び形が変わり始めた。
「自由自在に
幻影
(
イリュージョン
)
の形を好きな時に変えられる、って事・・・」
「そのとおりです。」
小さく呟いたエメラの言葉にエミリアは大きく頷いた。
騎士
(
ナイト
)
の原形を残さす事無く
幻影
(
イリュージョン
)
は一度淡いピンク色の渦に戻ると、再びグニャリ、と曲がり形が変わる。そして現した姿は
施条銃
(
ライフル
)
や小銃、大砲や戦車など兵器だった。
グレイとエメラは無数の兵器によって四方八方囲まれいる故に、全ての兵器の銃口や砲口が既に2人を捉えている。
「こ、こんなにたくさんの兵器の攻撃・・・どうやって防いだら・・・・?」
「・・・・・」
動揺しているエメラとは裏腹にグレイはなぜか比較的落ち着いていた。
「さて、そろそろ
幻影曲馬団
(
イリュージョンサーカス
)
の閉幕と致しましょう。
兵器の幻影
(
アーム・オブ・ザ・イリュージョン
)
!」
通路によく響き渡る声でエミリアがそう言ったのが合図だったかのように、全ての兵器の銃口や砲口に淡い紫色の光のエネルギーが集積され始めた。
標的
(
ターゲット
)
はもちろん変わらず、グレイとエメラの2人だ。
「発射まで、残り15秒。14・・13・・」
エミリアがカウントダウンを始めた。
「ど、どうしよぉ〜・・・」
「・・・・・」
頭を抱えて動揺するエメラとは裏腹にグレイは相変わらず比較的落ち着いていた――――−いや、よく見ると頬がほんのり赤くなっているのは気のせいだろうか?
「10・・9・・」
「一気に水で押し流しちゃえば・・・!」
腕輪から
黄玉
(
トパーズ
)
外し、窪みに
青玉
(
サファイア
)
を嵌めようとするエメラの右手をグレイが掴んで止めた。
「グレイ?」
「エメラ、俺に捕まれ。」
「・・・へっ?」
―――――刹那、グレイの甘く囁くような声に酔い痴れてエメラの思考回路が停止した。グレイが言った言葉の意味を考えるよりも早く、エメラの顔が赤みを帯び始めた。赤くなった顔を両手で隠す事もすっかり忘れてしまうくらい、エメラの鼓動は高鳴っていた。
「なっ、ななっ・・何言って//////////」
「いいから早く捕まれっ!時間がねェんだっ!」
迷ってる暇は無かった。
エメラはギュッ、と固く目を瞑ると、グレイの胸と背中に手を回し右肩に両手を添えると、抱きつくようにグレイの左腕にしがみついた。
「!」
「6・・5・・4・・」
「・・・アイスメイク―――――」
―――――刹那、エメラの豊満な胸の感触と温もりにグレイの思考回路が停止した。顔が熱を帯び始め、冷やそうとするが突然の事に手が動かな
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