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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story9 儚き散り行くは・・・。
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るっつー訳だ。」
「お前が言う魔法って、それの事?」

「それ」の部分でモカはイブキの事を指差した。
イブキの魔法は接収魔法(テイクオーバー)。イブキの場合鬼の魂(オウガソウル)接収(テイクオーバー)する。
イブキは両手でウェンディとシャルルの魔法を封じている手錠と足枷をものの見事に破壊した後、右手の拳を固く握り締めながら言葉を紡いだ。

「破壊の鬼、フラジールの拳は如何なるものも破壊する。お前の骨も、粉々に破壊してやろーか?」

不敵に笑うイブキ―――――いや、化け物の言葉にモカは殺気を覚え震え上がった。が、すぐに口元に薄い笑みを浮かべた。

「私の骨を粉々にィ?はん、出来るものならやってみろっ!」

鼻で嘲笑いながらモカは眼鏡のフレームに手を掛けた。

「イブキさん逃げてっ!」
「噂の“見たものを石化させる魔法を使う魔道士”がモカなのよっ!」

ウェンディとシャルルが叫んだが時既に遅し。

石化眼(ストーンアイズ)!」

眼鏡を外した途端、モカの金色の瞳が赤黒く光り出した。ウェンディとシャルルは間一髪のところで両目をギュッ、と瞑りその場を逃れた。イブキはと言うと―――――

「なっ・・・!?」

モカの驚嘆の声が聞こえウェンディとシャルルは恐る恐る目を開けた。2人の視界が最初に捉えたのは、風も吹いていないのにパタパタとはためいているボロボロの黒衣だった。

「思ったとおり、エバーグリーンと同じ魔法か。」

ウェンディとシャルルの前に庇うように立ち塞がるのは正真正銘イブキだった。不思議な事に石化にはなっていない。よく見ると、イブキは片目を瞑っていた。()()()()だけが開いている。

「まさか、義眼なの・・・!?」
「そ、そうだったんですかぁ・・・!?」
「えぇっ!?」

モカだけでなく、ウェンディとシャルルの2人も驚嘆の声を上げた。
エルザの右目が義眼だという事は2人も知っている。よってエルザは目から受ける魔法は効かないのだ。だが、イブキは口角をニィッ、と上げて悪戯っ子のように笑った。

「残念ながら義眼じゃねーよ。だが、()()()目でもねーんだ。」

そう言うとイブキは鋭く尖った黒い爪で赤い左目を指差すと口を開いた。

「俺の左目は“鬼眼(きがん)”なんだ。“鬼眼(きがん)”は悪しき力を粉砕する。まぁ簡単に言えば、エルザの右目と似てる力を持ってるっつー事だ。ハッハッハー!」

この場には不似合いな愉快な笑い声が部屋に響き渡る。

「さーて・・・」

盛大に笑った後、イブキは後ろを振り返りウェンディとシャルルに笑いかけた。

「ナツ達が助けに来る前に、このチビっ()を倒して脱出しようぜっ
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