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ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
女のプライド
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は俺に抱き着いたまま自慢げな表情を見せる……が、頬が赤くなっており、かなり恥ずかしがってるのは冷静に見れば明らかだ。そう、冷静に見れれば。

「う、羨ましくないよ!」

対するレアはそれに気づけない程に動揺していた。

その理由に関しての考察はノーコメントで。

「それよりもレア。なにがあったんだ?」

「え?なにが?……あ、そうだった!」

頬にはまだ先程の羞恥の跡が残っているが、こちらに来た際の緊張感を取り戻して叫んだ。

「向こうから狼みたいなのが寄ってきてたって言いに来てたんだった!」

「ああ、だろうな。そこで隙をうかがってるぞ」

暗闇の中、わずかに生えている草に伏せている黒色の体毛を持った狼のような動物。目だけが爛々と光ってる様は結構ホラーである。

とはいえ、その程度で恐怖を感じるようなか弱い性格をした女性はいないわけで(レアも一応戦える)

「ボクがさっさと片付けてくるね。……もうちょっと抱き着いてたかった」

ポツリと呟いたその言葉は聞こえなかったことにしつつ、抱き着く時間に水を差した狼に心からの黙祷を捧げる。

狼の強さは分からないが、今のユウキに敵はいなさそうだ。妙なオーラを纏っていたし。

「……ユウキの攻撃の矛先、私に向かないよね?」

「それは確約できんな」

仕方がないことだったとはいえ、タイミングが悪かったのは事実だ。あとはユウキがどれだけ折り合いをつけれるかによるが……。

まあ、でもユウキだし狼と戯れて(別名、虐殺)きたらそれで鬱憤をすべて解消してそうだがな。かなりサッパリとした性格であるし。

それにユウキはそんな理由で剣を向けたりはしない。ちょっとからかって遊ぶくらいだろう。

つまりレアの心配は杞憂だ。

そう考えながらも口には出さず、狼達の悲鳴とユウキの鋭い気合いの声をBGMに鍋を掻き混ぜる。

「……もう考えないようにしよう。ところで今日はなに?なんか美味しそうな匂いがするけど……」

「干し肉を戻したスープだな。バランスを考えられないのが少しアレだが、この世界は栄養バランスなんてものはないからな」

逆に考えなければならないとなると、途端に旅の難易度があがる。ある程度は虫食(虫は栄養学上から見ると非常に素晴らしい食料である。見た目さえ気にしなければ)で補えるのだが、バリエーションが少ないとどうしても偏ってしまう。

「エイヨウバランス?」

聞き慣れないのか、片言になるレアに何でもないと言って材料を追加投入する。

そのまましばらく無言のまま煮込んでいると、たった今、狼を複数頭狩って来たとは思えないような、あたかもそこら辺に散歩に行っていたかの様な雰囲気でユウキが戻ってきた。その雰囲気が逆に怖いらしくレアは
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