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ああっ女神さまっ 〜明日への翼〜
明日への翼
04 RHAPSODY
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らいか。
 面影がある。
 ベルダンディーとそして螢一の。
 愛車のスタンドを立てるのももどかしく二人に駆け寄った。
「ほんとに、久しぶり」
 ウルドの手をしっかりと握った。
「元気そうで何よりだわ」
「あ──じゃ、この娘が」
「そうよ。螢一とベルダンディーの娘。名前はアイリン。地上界では愛鈴かな」
「よろしく。あなたの叔母さんよ」
 手を差し出すと、愛鈴は手を握って優雅に頭を下げた。
「お初にお眼に掛かります。二級神一種限定、女神アイリンです。よろしくお願いします、恵姉様」
 歳に似合わないはっきりとした物の言い方だ。
 躾は行き届いている……というよりも、お辞儀の仕方といい後天的なものではこうも美しく出来ないだろう。
「螢ちゃんは?ベルダンディーはどこ?戻ってきているんでしょう?」
「ベルダンディーも螢一も降りてきてはないわよ」
 恵は一瞬耳を疑った。
 来ていないって。
「螢一は天上界で要職の位置にあるんだし、ベルダンディーももう「仕事」として降りてくることはあっても、それ以上はないわ。私もそれでいいって思ってる。あの二人は天上界で誰にも邪魔されずに静かに暮らすべきなのよ」
「じゃあ、この娘は」
「降りてきたのは私たちだけ。そしてね、しばらく地上界にいようと思うの」
「それって……」
「「可愛い娘には旅をさせろ」よ、地上界の勉強ってわけ」
「他力本願寺(ここ)に住むってこと?」
「大正解」
 ぱちぱちと手を打つウルド。
 恵はこめかみへ手をあてていた。
 ウルドのことは兄からいろいろ聞いている。一度決めたら曲げない性格なのも。
「部屋は余ってるんだし構わないわ。そろそろ一人で暮らすのにも飽きてきたところだしね」
 正確にはシーグルやばんぺい君と一緒であったが。
「あら、彼氏はいないのかな」
「いたら一人で暮らしてないわよ。女同士三人で楽しくやりましょ」
 言ってくれると思ってた。
 指を鳴らすと四角い箱がどさどさと空中から落ちてきた。
 食料や生活雑貨よ。引越しの荷物かな。
 やれやれ、この人には永久に勝てそうにない。
 恵は内心で溜息をついた。


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