第百十話
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は一柱すら思い浮かばない。しっかりと考えれば出てくるのかもしれないけど、ぱっと思い浮かばない以上はそんなにいないと思う。
「ええ・・・えっとですね、まつろわぬ神とか言われてますけど、なにもその形で出てくるのは神に限らないんですよ」
「あー・・・そういや、そうだっけ」
「ええ。なので精霊であっても有名なら出てくる可能性はありますし、精霊群という形で出てくる可能性もあります。他にも、実在した人物でもいいんですから」
実在した人物で吸血鬼系の能力を得られそうなのは、ヴラド伯爵とかだろうか。ヴァンパイアの原型らしいし。
他にも、『人の血をすすった』とか『人の血を飲んだ』とかの伝承がある人は多いだろうし。そういわれると確かに、候補が多いなぁ。
「とはいえ、もう少し絞れるかもしれませんが。どうにも吸血の対象は子供のみのようですし」
「ってことは、ペドフィリア系?」
「歴史上にはいくらでもいますけどね」
まったく、面倒だな偉人系。というか神話と違って本気でいくらでもなるから、どうにもならない。それが実際に行われたってんだから、現代では信じられないなぁ・・・そういや、まだ実在系と戦ったことはなかったっけ。狸どもは確かに実在した人物からできたやつだけど、完璧に伝説的な背景を持ってるし。
「はぁ・・・やばい、面倒になってきた。当面の問題は、どれくらいあいつが血を吸うか、かな?」
「そうですね。不思議なことにまだ死人は出ていませんが、殺すくらい血を吸ったのなら一度に強化される可能性もありますし」
何人死のうがどうでもいいけど、無駄に強化されると本当に面倒だ。呪力量が増えるだけでも何が起こるかわかったもんじゃないし、同族同士での戦いは何が影響するのやらだし。
「・・・まあとりあえず、頭に余裕があるときに検索してみるかな。子供限定の吸血系の伝説」
「候補が多そうですし、大変でしょうけど頑張ってください。そもそも、あまり時間はありませんけど」
「明後日だしな、満月。・・・梅先輩と出掛けるのにかぶってるけど、何とかするしかない」
「・・・美人の先輩とデートですか。いい御身分ですね」
「・・・アテさん?」
なぜだろう。アテが急に不機嫌になった。頬をぷくっと膨らませて顔をそむけてる姿はいくらでも見ていられるけど―――というか、最近本当にアテが神様らしくなくなってきた―――そういうわけにもいかないだろう。
「えっと、なぜ不機嫌なのでしょうか?」
「それが分からないならもういいです」
「えー・・・」
「どうせ武双はお姉ちゃんの気持ちなんてわかりませんしねー」
あ、ヤバい。これ本気ですねてる。アテが俺に対して自分のことを『お姉ちゃん』というときは、間違いなく本気ですねてるし、選択をミスると後々精神的に
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