第百十話
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いので」
「フム・・・」
何か思ったこと、か・・・あ、そういや。
「あのさ。俺今日、思いっきり住宅街で戦ったんだけど」
「場所を考えてください、というのはもう言っても無駄ですかね?」
「無駄だろうな。というか、それはまつろわぬ神のアテだってわかるだろ?」
渋々、という様子でアテは頷く。やっぱりそうなんだな。
「まあ話を戻すけど、やけに静かだった」
「静か、ですか?」
「ああ。あれだけやりあったのに誰も出てこなかったし、そもそも気配が弱かった」
「気配が・・・武双、戦ったのはどのあたりですか?」
質問の理由が分からなかったが、俺はその場所を答える。
それを聞いたアテは自分のスマフォを取り出して少しいじり・・・
「はいどうぞ、武双」
「うん?」
そしてそのまま差し出されたそれを、俺は何も考えずに受け取る。そこに開かれていたのは、ネット上のニュース記事。
取り出して検索して開くまでがかなりスムーズだったなぁ、まつろわぬ神なのにすごいなぁ、とかそんなことを考えながら画面上の記事を読むと・・・
「・・・あの辺で意識不明が多発してんのか?」
「そう。因みに、原因は大人と子供で違ったり」
そう言うとアテは別のタブで開いていた記事に移動させる。ってかまて、どこまで現代に適応してるんだよ、神様。
「大人は・・・外的要因なんだな」
「打撲だったり首を絞められたり、まあ色々とね。これらのことから最初は強盗が疑われたみたいだけど、何も盗まれたものがないから捜査は難航中」
まあ、何も盗まれてないならそうなんだろうな。
「いや、正確にはその可能性がなくはないんだけど・・・」
「何も盗まれてないのに、か?」
「一応、盗まれたものはない、ってことになってるだけですから。子供の意識不明のほうを見てください」
アテにそういわれたので、俺は子供のほうを見る。そこにあったのは・・・
「・・・貧血?」
「ええ、貧血です。それはもうわかりやすく貧血。血が足りない、というわけです」
「・・・子供だけ、血が足りないのか」
「ええ。これは明らかに何かしらの意思をもって行われたことでしょう」
ふむ、子供だけ血が足りないのか・・・そのあたりの理由についてはあんまりよくわからんけど、
「でも、これがあいつの仕業だとしたら結論は一つだな」
「ええ。おそらく、吸血が彼の権能の一つなのでしょう。単純に考えれば、吸血によるパワーアップ」
準備とか言ってたし、その可能性は高い。そんでもって、そこまで分かれば・・・
「なあ、吸血鬼的な属性を持つ神様って何がいるんだ?」
「そこそこに居るので何とも言えません」
「・・・そんなにいたっけ?」
少なくとも、俺
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