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豹頭王異伝
曙光
嵐を呼ぶ男
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師共の魔力が役に立ったか?
 修行を積み試験に合格したところで魔王子、竜の門に手も足も出んじゃないか!
 大導師カロンとやら、姑息な術策を弄する輩に騙されるな。
 組織に留まれば、折角の才能を腐らせるだけじゃ。
 若者の芽を摘み、因習で縛る事に汲々としておるに過ぎぬ。

 限界を超え偉大な魔道師の域に達する為には、集団の力に頼っていては駄目さ。
 心理誘導の巧妙な罠に嵌まり、他者に依存するがオチよ。
 魔道師の塔は聖王、レムスが竜王の奴隷と化した事を認めなかった。
 アルド・ナリスが追い詰められ、手遅れになるまで事実上放置している。
 魔の胞子や異次元の蜘蛛に手も足も出ず、魔道に全く無知の豹頭王に頼るとはな!
 イェライシャが味方に付いた途端、依存心の虜と化しておる。
 先が無い、とは思わんか?

 ヴァレリウスめは小賢しくも現実を認め、自分なりに限界を超えようとしておるがね。
 ギルドの掟を破り魔力を上げる為、足掻いておる様だが間に合わん。
 大導師と名乗る大馬鹿者カロン以下、本当に必要な時には全く使い物にならん奴等。
 木っ端魔道師なんぞ、何の役にも立たぬではないか?
 人の足を引っ張る事しか考えぬ茶坊主共、嫉妬深い奴等の妨害を退けよ。
 本当の実力を身に付ける為には地道な自己研鑽を重ね、限界を突破せにゃならんのだよ。

 数百年に渡る厳しい修練を己に課し、他者の追随を許さぬ偉大なる魔道師。
 比類無き強大な魔力を得た闇の司祭、グラチウス様を見習うが良いぞ。
 北の見者ロカンドラスの入寂は差迫る大戦乱時代を怖れ、敵前逃亡を図ったに過ぎぬ。
 現実界へ介入する気概を喪い、己の結界に引き籠る大導師アグリッパも同じ穴の狢なり。
 世界三大魔道師、が聞いて呆れる。
 風立たぬ虎、雲捲き起こらぬ竜にも等しい惨めな存在よ。
 だが人間の叡智の象徴、闇の司祭様は違う。
 人類の名誉を懸け異界からの侵略、異種の挑戦を受けて立つ。

 吹けよ風、呼べよ嵐。
 我は征くぞ、青白き頬の儘でな。
 ヤンダルだろーが、アモンだろーが、纏めて相手をしてやる。
 人類史上最強の黒魔道師、グラチウス此処《ここ》に在《あ》り!
 豹頭王と儂が組めば無敵よ、敗北の二文字は無い!!


 遠く輝く夜空の星に、我等の願いが届く時!
 銀河連邦、遙かに越えて、光と共にやって来る!!
 怪獣退治の使命を帯びて、燃える街に、あと僅か!
 轟く絶叫《さけび》を耳にして、帰って来たぞ、帰って来たぞ、豹頭王!!
 凶悪怪獣、倒す為、進め、銀河の涯《はて》までも!

 空を見ろ、星を見ろ、宇宙を見ろ!
 謎を秘め、襲い来る、侵略者!!
 力《ちから》が欲しい、と願う時!
 王の腕《かいな》が、輝いて!!
 魔剣が、
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