薄明
心の鍵
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
(グインの《洗礼》を浴びた際、中継装置となった全員の魔力が飛躍的に強化されました。
他の魔道師達も豹頭王直属の班と順次、交代させ《特訓》の準備を整えます)
(アムネリスとは婚礼の最中に暴漢が乱入して、意識を喪った後は会っていないが。
イシュトにもう一人の子供が居るとなれば、私にも他人事ではないよ。
横目で私の様子を窺ったりせずに、ゴーラ王の治療に専念し給え。
傷の深さはどうかね、生命に別状は無いのだろうね?)
(…全く、問題ありません。
ナリス様が決闘の茶番で、アウレリアス子爵に刺させた傷みたいなもんです。
この悪党が此の程度の傷で、大人しく永眠する訳ありませんよ。
いっその事このままくたばってくれれば、中原は随分と平和になるんですがね)
(了解した、イシュトは古代機械に預ける。
ティオペの秘薬と間違い、毒殺の可能性も否定出来ないからね)
(冗談ですってば!
放っといたって死にゃしませんが、ちゃんと面倒みますよ!!
わかってるくせに一々、茶々を入れんでください!
このまま眠らせといた方が楽だと思いますが、この旦那は生命力が有り余っていると見える。
覚醒すれば傷が痛むと癇癪を起こして騒ぎ出し、面倒な難癖を付けるに決まっているんだが。
厄介な事に自力で意識を取り戻し、喚き始めそうな塩梅ですね)
(君の言い分は良くわかった、イシュトと言葉を交わしてみたい)
仏頂面の魔道師が接触心話の送信を停止した瞬間、血の気の失せた白い顔に動きが生じる。
ゴーラ王の長い睫が動き、ナリスに良く似た漆黒の瞳が現れた。
「あ…。
ナリス様?
俺…痛っ!
ぐぁっ、何だ!?
腹が、くそ、スカールがまた出やがったかっ!
あ痛っ!」
「イシュト、心配は要らない。
そなたは黒魔道の術に惑わされ、自分で自分の腹を刺してしまったのだよ。
暫くの間、動かない方が良い。
結界を張ったから、これ以上の攻撃は無いと思うよ。
私の言う事が、聞こえているかね?」
「催眠術、だって?
なんてこった!
今のは、みぃんな、夢だったってのか?
くそ、とんでもなく厭な夢を見たもんだぜ。
あれが、黒魔道の術だと?
あぅっ!」
「体に力を入れてはいけない、傷口が開いてしまう。
応急処置はしたが、そなたが気を失うと面倒な事になる。
私とそなたの関係を承知しているのは、忠実なマルコ1人だからね。
今そなたに気絶されると、面倒な事になる。
君の忠実な部下達が激高して、私に斬りかかって来るかもしれない。
彼等は黒魔道も催眠術も知らぬ、説明しても無駄だ。
深傷を負った君の傍に侍る私が、下手人に違い無い。
弁明など何の意味も持たぬ、としか考え
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ