根上碧海さんは魔王になりたい!
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ルはあろうかという大きな鬼の彫像までやってきた」
「随分大きい鬼じゃのう、わぁっはっは、わしの刀でも斬れるかどうか分からんな」
「私が数年間集めた情報によると、この先に迷宮の主が居るようね」
「ああ、迷宮っていうからてっきりミノタウロスなんかが居ると思ってたけど、ここまで来るのに姿を見かけなかった理由が分かったぜ」
「三人は鬼の開いた口から内部へと侵入する、鬼の内部は赤とも藍とも黄とも碧とも橙とも桜とも見て取れる、混濁した薄い霧が渦巻いていて、暗く、湿っていて乳白色の壁だらけの迷宮とはかけ離れていた、カラフルでサイケデリックな鬼の体内を歩み続けていくと、突然混濁した霧が晴れた、三人の目の前に、やや拓けた空間が姿を現す、大きさ、広さ共に現代の学校の教室を三つほど並べたくらい、乳白色の石筍が天井からまばらに生えている、三人の胴回りと同じくらいの幅を持つ石筍が今にも冒険者達を串刺しにしようと空間中央の上空で待ち構えている(にやり)三人はその空間の中央奥に目を向けた」
「――恐らく、あれがこの迷宮の主が居る部屋よ」
「なーんかおっかねえな、神様が何か企んでいやがりそうだ」
「ふむ、見たところこの部屋は迷宮の主を護る為に造られた場所のようだな」
「きっと罠が貼ってあるに違いない、そう考えた三人はこの部屋を抜けて主の部屋にたどり着くための算段を立てる事にした」
「私は全てのトラップを切り抜けられる魔法があるから良いけど、残念。これら全部一人用だから、貴方達まで守り抜けないわ」
「ええ!? それって酷えな、だったら、俺達はカラスさんに罠を全部ズバッと切ってもらって・・・」
「いや、それは無理じゃのう、いくらわしの大錠門とて魔の術を使われたら一環の終わりじゃ、何か別の手を考えんとのう」
「なあ、根上、いや、GMさん」
ファンタジーの壁を引き裂いて、ゴミクズが根上に尋ねた、根上は食事を邪魔された猫のように憮然とした顔を繕う。
「何?」
「いや、あのさ、俺の幸運スキルで何かパッと閃く事って出来ねえのか?槇原の説明的にTRPGってそういうもんだろ?戦闘のスキルが弱いんだったらその分手に入れたスキルを存分に揮いたいんだが」
根上はちょっと考えてすぐに返事を返す、早く続きがしたいんですけど、といった顔は崩さずに。
「いいわ、それじゃあそうね、いきなり何の知識も持っていないのに何か言いアイデアを思いつくのは主人公の特権だと私は思うの、だから、二回六面ダイスを振って四十以上なら成功って事にしてあげる」
「おいおい、ちょっと待て、それじゃあどうやっても四十なんて越えられいだろっ!」
萩島の苦渋に満ちた声で不平。
「ううん、越えられるよ、萩島君、自分の運のスキルを足すんだよ」
対し、隣からそっと萩島の不平を否定する槇原。
「そっか、でも、十
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