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根上碧海さんは魔王になりたい!
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してしまった。魔法に対する抵抗力も強い・・・容姿端麗頭脳明晰の魔法少女」
「――来た、あの人達だ・・・」
 「マキは湿気が充満している苔だらけの迷宮の壁に背中をつけ、左手後方の通路から二人分の足音に耳を済ませていた、一人は背が低いがかなり力がありそうな男、来ている武者鎧を装備しているところを見ると、どうやらマキが居た時代の人間ではないらしい、背中に巨大な刀を背負っている、もう一人はマキと同じような服を着た人間で、貧弱そうでみるからに戦闘慣れしていない、二人はつまらない会話をしながらマキが潜んでいる壁に近づいてくる」
 ここで、ナレーションを勤めるGM根上はにやりと口の端を吊り上げて二人の男を見る。
「――なあ、カラス、今天からつまらない会話をしろと無茶振りがあったんだが何かつまらない話は無いか?」
「と気持ち悪い男が言った」
「うん、つまらない話とな?」
「おう、そうそう、言わないときっと後で酷い目に遭いそうな気がするんだ」
「つまらない話をしなかった場合、床が抜け落ちて高確率で死ぬ、いや、確実に死に至るであろうと魔王が申しておる――カラスはなんとかしてつまらない話をしようと思った」
「――爪楊枝の先っぽ、摘む側の頭ってさ、何であんなに簡単にもげるんだろうな・・・」
 空気が沈黙に包まれ、密室の筈の現実に冷たい風がどこからともなく吹き込んでくる。
「あ、あまりにもつまらない話だった為、床は抜け落ちなかった、二人は通路を曲がり、マキと遭遇する」
「――止まりなさい、貴方達、ここを行くのなら私も連れて行って!」
「二人は突如現れた魅力最大値の美少女に心を奪われるのと同時に、困惑する。何故なら、今までこの迷宮で彼女以外の人間に出会った事が無かったのだ、当然彼らは魔王の差し金と疑り、闘いの血生臭い空気が狭い通路に蔓延する」
「――お前、ちょっと怪しいぜ、人間にしてはちょっと可愛すぎる」
「まさかと疑いたいな、お主のような美しい娘っこを殺すのは惜しい、良ければここに来た経緯と、自らが人間であるという証拠を教えて欲しい」
「私は――」
「マキは二人の男を手玉に取って人間である事の証明と自らの経緯を話し、二人の仲間に加わる事に成功した――(魅力が最大値だったらダイス振らせても意味ないじゃない!)」
「よろしく、マキちゃん、俺弱いけど運だけは強いんだ」
「ええ、私こそ、体力は貧弱だけど魔法には自信があるから、戦闘は任せて!」
「わしはこの迷宮の壁だって引き裂ける程の切れ味を誇る刀とそれを容易く扱える腕力が自慢じゃ、ボスは任せい!」
「マキとカラス、ゴミクズの三人はマキが潜んでいた通路の先を歩いていった、ゴミクズは例外として、他の二人が発する覇気と邪気に恐れおののき雑魚は出てこない、三人は真っ直ぐ、真っ直ぐ通路を歩き、やがて三十メート
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