根上碧海さんは魔王になりたい!
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砕いて凌ぐ事にしよう」
「――ふふ、私はゴミクズさんの僅かな魔力を借りて二人分のシールドを張るわ」
「ふぅん、そうくるか、二人ともスキル高いし、ダイス判定なんて無駄ね、無条件で成功したとして、三人はなんとか石の雨を凌ぐ事に成功する、しかし、三人を待ち受けていたのは世にも恐ろしい光景だった、自分達の三倍はあろうかという体躯を誇る牛頭、鼻から真っ白い蒸気を火山のように噴出し、先ほどの石筍の何倍も大きく重厚な斧を握ったミノタウルスが部屋の中央には佇んでいた、さ、最初で最期の戦闘開始! 見事こいつを打倒してみなさいっ――やつは鈍重って設定だからあんたらが先に行動していいわよ」
「――まずはわしから行くがよろしいかな?お二人さん」
「ええ」
「ああ」
「ならばわしは先ほど抜いた大錠門を振り上げ、奴の両足を一閃する事にしよう、技名は灰雪斬、灰も雪も一緒くたに切り裂く白き穿孔よ!」
「ロールをどうぞ」
根上から差しだされたサイコロを一度だけ振り、出た目と素質を足し合わせて数値を決める。
「出た目は四、二十九にかけて、百十六、れーてんいちかけて、十一てん六、四捨五入で十一ダメージ、命中はしたって事にするわ、だって、着地したばかりで遅かったんだもの(一撃でミノさんの体力の四分の一ほどを持っていかれたわけだし、当然転倒するわね)ミノタウルスは転倒、続いてゴミクズの番よ」
「俺はもう一度おかしな点が無いか運試しだ、なんとしてでも何か閃いてやる!」
萩島は烏の前に転がっていたサイコロと根上の前にあるサイコロをとって根上の指示を待った、順番を待っている槇原はニコニコと楽しそうに微笑んでいる。
「そうね、もう一度さっきと同じ条件でいいわ、どうぞ(どうせ無駄よ、十二分の二よ?出るわけないじゃない)」
根上はほくそ笑んだ、短い間ではあったが楽しかった、と、また今度やるときはもっとシナリオとか、キャラクターを作り込んで遊ぼうと心の内で呟く。
「行くぜ! ダイスロオオオオオオオオオオオオオオオルッ――運よ、頼む! ダイスよ答えてくれええええええええええええええ」
サイコロはゆっくりと回転し、その目を開いてくれた。
根上と萩島以外の二人が息を呑み、感嘆の吐息を吐いた。
「出た目は十一だぜ、さあ、思いつかせてもらおう――ゴミクズこと俺は悩みに悩んだ、そして、一つの天啓を得、倒れているミノタウロスの首輪に何かがついている事に気がついた、それは”鍵”ッ――その鍵は恐らく奥の部屋のドアの鍵、俺はその事を天才魔法少女ことマキに伝えた! さあ、これが答えだ! 根上碧海、お前はGMという立場を上手く利用して俺達を倒すのではなく、永遠に迷宮に閉じ込めておく事でゲームオーバーにしようと考えたに違いないぜ、TRPGにおいて全てを判断するのはGM、つまりお前はGMこそが魔王
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