邂逅
豹頭王の魔力
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の魔力、結界を使って霧の渦を創造したのですか?」
ヴァレリウスは荒い息を懸命に整え、朱色に染まった顔面の儘で当然の疑問を投げ掛ける。
「私にも、良く、わからないのだけどね。
ケイロニア軍が襲われたのだから、ゴーラ軍も危ない。
閉じた空間の術で駆け付け、スナフキンの剣を使う手は間に合うまい。
リリア湖の小島に戻り、古代機械を操作するにも時間が足りない。
瞬間移動の為には、転送室に入る必要があるからね。
グイン殿は『セカンド・マスターが危機の際に即刻、精神接触せよ』と命じた。
精神接触の相手に、エネルギーを送る事は可能と証明されている。
私の護衛役は魔道師軍団の中でも最強を誇るから、何とかなるだろう。
その判断が正しかった事は見事に証明され、君達は期待に応えてくれた。
豹頭王陛下から直接、お褒めの言葉をいただいたよ。
パロ魔道師軍団の諸君に感謝の詞を捧げ、更なる活躍を祈念する。
竜の魔物を掻き消した聖炎の魔法、赤い激流を見て思い出したのだがね。
《ゴーラの赤い獅子》アストリアス、鉄仮面の男は何処に居る?
カリナエの地下牢に幽閉した儘、すっかり忘れてしまっていた。
イシュトに対する切り札として、マルガに移したのだったかな?
私を《暗殺》する役割は果たしたのだから、解放してやろうじゃないか。
アムネリスを熱烈に愛する彼は、ゴーラ王妃の親衛隊長に適任だ。
公女将軍に剣を捧げ、ノスフェラス遠征にも同行して豹頭王と戦った。
モンゴールの赤騎士隊長として、黒竜戦役にも参加しているのだろう?
ゴーラ軍も人材豊富とは言い難い、経験を積んだ指揮官は貴重だ。
実戦の指揮を執った事もある筈だし、治療してやってくれないか?
竜の消え失せた後に残った遺留品は、何を意味するのだろう?
クム大公国家の象徴は、竜の紋章だが。
大公家の至宝、竜の首飾り《ペンダント》が存在していたのだろうか?
キタイ移民の国だから竜王の魔手が及んでいる、と短絡的に断定する気は無いが。
パロ魔道師軍団の警戒網を欺き、クリスタル奇襲を成功させた黒幕は誰だ?
キタイの竜王が気配隠しの術を用いた事は、カロン大導師も証言している。
ヴラド・モンゴールを操った竜王が隣国、クムを操っていても不思議は無い。
グインと精神接触の際、イェライシャの証言も知る事が出来た。
ユラニアも闇の司祭グラチウスに操縦され、事実上支配されていたのだよ。
ケイロニアは無事な様だが、まじない小路には黒白不明の魔道師達も潜んでいる。
互いに牽制しあっているのだろうが、勢力の均衡が崩れぬ保証は無い。
やれやれ、すっかり話が脱線してしまった。
咬竜は時の彼方に消え去り、再び
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