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AlFe
AlFe
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われているのだ、ま、最も、形だけじゃがの」
 老人は広場で走り回っている子供達を見つめ、穏やかに微笑んだ。
「それじゃあ、少女は?フェルはどうなったんですか?」
「ん、おお、フェルは木の国に行く寸前で鉄の国の兵士の凶弾に倒れてしまった、アルは無論激怒した、それで王を、自分の国の全てを消し去る事を決意したのじゃ」
「へえ、だからあの銅像が建ったんですか」
 旅人は国の中心にそびえる大きな二体の石像を見つめる。一体の石像は修道服のような服を纏っており、腰に棘のついたメイスを差している、顔立ちはとても美しく、少年にも、少女のようにも見えた。もう一体は、パッと見で機械仕掛けだと分かる四肢を持っていて、しわしわの、触るとざらざらしそうな短パンと一張羅を着ていた。顔立ちは凛々しい、腰には長剣よりも少しだけ短いが、確かな剣が差してある。
 旅人が感心して頷いていると、老人が付け加えるように言った。
「――おお、そうじゃ、少女、フェルがいつ少年に自らの性別を明かしたか言ってなかったのう」
「それはいつですか?」
「事切れる瞬間じゃ、きっとアル様はさぞ悲しかった事じゃろうて」
 旅人は老人の言葉を聞いて、老人に礼を言いながら立ち上がった。老人が驚いたような声を上げる。
「お前さん、この国に住むんじゃなかったのか?」
 若い旅人は機械の右腕からお金を取り出しながら笑って答えた。
「――もう一度僕も旅をしてみたくなったんですよ、あの英雄達のようにね」
 深い森の中を、二つの小さな子供の影が並んで疾走している、やがて、一つ分の影が転んだ。もう一つの影が振り返って叫ぶ。
「――なにやってんの!アルフェッ!早くしないと置いていくよーっ!」
 叫んだ影は小さな女の子だった、みるからに活発そうな女の子で、Tシャツに短パン姿だ、藍色の短パンから突き出ている左足は重々しい黒い鋼鉄の棒だった、先端が右脚と同じような形状になっている。少女は足踏みをしながら、自分より少し離れたところで倒れている少年が立ち上がるのを待った。アルフェと呼ばれた少年は弱弱しく時間をかけて立ち上がり、情け無い声を出した。
「待ってよー、フェルア、置いていかないで〜」
 アルフェと呼ばれた少年は白いマントを纏っていて、髪は短い金髪だった。アルフェは泣きそうになりながらも、なんとかまた走り出す。
「――あんた!分かってるでしょっ!今日は国設立記念日でお祭りなんだから!しかも今日はお母さんの人工心臓の部品を取り替える日!その為の部品を買いに行くんだよっ!」
「うっ、うん!分かってるよ!だから早くしないと!部品売り切れちゃうもんね!」
 安売りがチャンスだよ!とフェルアがぼそっと付け足し、ようやく追いついてきたアルフェと脚を並べて走り始めた。

 二人の子供が走り去っていった後、森が女
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