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AlFe
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な所で油を売っていると王子にまた城の外へと出て行かれますよ?)」
 大臣は兵士長にそう言われると、声を鎮めて、
「(ふぅむ、そうか、ならば引き続きここの門番を頼んだぞ、もし王子がここを通ったら捕まえておいてくれ)」
 と言い、何やらぶつぶつ呟きながらアルが隠れている角とは反対方向の螺旋階段に向かって歩いていった。

 アルは良し!と拳をぐっと握って内心喜んだ。あのうざったい大臣さえ居なくなってしまえばこっちの物だ。兵士長とは仲が良い、きっと通してもらえるだろう。アルは角から大臣の背中が螺旋階段の上へと消えるのを待ってから、角を飛び出した。
「(兵士長っ!)」
 声をかけられた兵士長はにやりと口の端を歪めて笑い、
「(おやおや、王子ではありませんか、今日も大臣と追いかけっこをして、楽しいですか?)」
「(楽しくなんかないよっ!ううん、それよりも、ここを通しておくれ、今日は設立記念日なんかより大切な日なんだ)」
 王子がそういうと、兵士長はふふっと笑う。
「(王子、すいませんが、わたくしめはあのずんぐりむっくりな大臣に王子を見つけ次第捕まえてくれと申し付けられてるんです、ですので、王子を見つけ次第、私は王子を捕まえなくては鳴りません)」
「(えぇ!?じゃあどうすれば良いのさ!)」
「(ところが王子、私は今とても目が痛くてですね、王子をまだ見つけられていないのです、残念ですけど、私はまだ王子を見つけていないので、王子が今の内にここを通っても私は気づくことが出来ません、王子を見つけられないのです、ああ、大臣に申し訳無い、鉄の国の最終兵器とも呼ばれたこの私は小さな国の王子一人見つける事が出来ないのですから)」
 兵士長は王子が嬉しそうに顔をほころばせるのと同時に、両腕で目を隠した。
「(ああ、目が痛い痛い、とてもこれでは猫が通っても気づくことが出来ない、誰か目薬をくれないだろうか?早くしないと誰かがこの正門を通り抜けてしまう!)」
「(ありがとう!兵士長!これであのお堅い祭りに参加しなくても済むよ!)」
 アルは兵士長の脇をさっと駆け抜け、正門の橋を渡った。アルが駆けて行った後、兵士長はアルが居た場所を見つめ、そっと囁くように、そしてどこか楽しげに呟いた。
「(おやぁ?先ほど王子が目の前に居たような気がしたのだが、私が目を擦ると消えてしまったぞ?おお、そうか、先ほどの声と姿は気のせいだったか!)」
 兵士長の独り言が終わると同時に、螺旋階段をばたばたと走って降りてくる音が聞こえ、大臣が足をもたつかせながら走ってきた。兵士長は大臣が走って来たのを見て、少しだけ吹き出しそうになりながら、声をかけた。
「(おおう、大臣、そんなに慌てて走ると転んでしまいますぞ?)」
 兵士長のおちょくるような言葉を聞いた大臣は顔を真っ赤にして、

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