第三章
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「今度はどうするかじゃ」
「金でも物でも駄目なら」
つまり財宝や服で駄目ならというのだ。
「他のものになりますな」
「では官位か」
曹操が次に出したのはこれだった。
「それを贈るか」
「ではその官位は」
「将軍の位をやろう」
それをというのだ。
「あの者はこれまで無位無冠だった、そこにな」
「将軍の位を与えれば」
「いいだろう、ではな」
「はい、それでは」
こうして関羽に今度は官位が授けられた、偏将軍という将軍の中では一番位が低いものだった。だが将軍は将軍でだ。
関羽は曹操にだ、直接会いこう礼を述べたのだった。
「私の様な者に勿体無いことです」
「将軍のことか」
「はい、まことに」
「そうか、しかし」
曹操はここで関羽の目を見た、そのうえでこう彼に返した。
「御主はまだじゃな」
「申し訳ありませんが」
これが関羽の返事だった。
「私の主はです」
「あくまで劉備一人と言うか」
「受けたご恩は忘れませんが」
それでもだというのだ。
「しかし」
「そう言うのか」
「はい、ただ受けたご恩はお返しします」
「どうするのじゃ」
「次に戦があれば」
その時にというのだ。
「敵将を斬り」
「そうしてか」
「これまでのご恩のお礼とさせて頂きたいと思います」
こう曹操に言うのだった。
「そうして」
「礼を返してか」
「劉備様のおられる場所がわかれば」
「その時はか」
「劉備様の下に戻ります」
「そう言うか」
「はい」
やはり動かない言葉だった。
「そうさせて頂きますので」
「確かに間もなくな」
それこそというのだ。
「袁紹が攻めて来るであろう」
「それでは」
「うむ、その時にだな」
「お礼をさせて頂きますので」
ここで曹操はまだ何も言わなかった、関羽にそれならとだ。まだ彼が欲しいと思っていたからだ。それでなのだ。
実際に袁紹との戦がはじまった、袁紹は大軍を率いて黄河を渡って来た。そのうえで曹操の軍勢と戦うが。
この戦においてだ、関羽は曹操から贈られた赤兎馬に乗り。
途中から参戦してだ、袁紹の配下の中で武勇を誇った顔良と文醜をだ。
それぞれ唐竹割にした、そのうえで曹操に言った。
「これで礼は」
「充分過ぎる程だ」
これまで己の軍を苦しめてきた両将を倒したのだ、それで曹操も感謝の意を述べた。
「まさかあの二人を瞬く間に斬るとは」
「確かにそれなりの腕の持ち主でしたが」
「それでもか」
「はい、それがしならば」
関羽は己の力から語った。
「勝てました」
「そう言うか」
「はい」
曹操に対して実直に答えた。
「左様です」
「わかった、そのことはな」
「そしてなのですが」
ここでだ、関羽は曹操に
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