parallel world8−『萃まる神々』−
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ユキは、ルークに呼ばれた訳では無い。未来を読み取り、その未来を変えるべく、自ずと現れたのだ。
だから、ルークからは何も聞いていない。しかし、すべき事は分かっていた。
数秒後、やはり八つの影はコロッセオに到達した。
「……どうも。状況は分かっていますね?」
「ああ、要件は分かっている」
ましろの問いかけに、ユキが答える。
ましろは頷くと、自らの主を呼ぶ為、懐から宝玉を取り出す−−
「呼ぶ必要はないよ、ましろ」
寸前で、呼び止められた。
「マスター!」
いつの間にか其処には、ルークが現れていた。
同時に、前に一度でも会った者達は一斉に違和感を感じた。
着ているものが着物調なのもそうだが、何より『性質』と雰囲気が全く違う。まるで別人だ。
「−−オイ、アルマ」
「話は後にしよう。君達にはまた直ぐに動いてもらう。そろそろ彼らが来る頃だ」
フィントが言いかけるが、ルークはそれを片手で制し、空を見上げ、とある一点−−太陽を見つめた。
−−ふと、太陽の中心に亀裂が入った。
「マスター……あれは?」
「神話の神々だよ。僕の友人−−いや、友鬼といった方が良いかな?−−に頼んで、『萃めて』もらった」
亀裂は、少しずつ広がっていく。
亀裂の中から、一本の手が伸びた。
その手は亀裂を押し広げ、そして広がった亀裂からはもう一本の腕が伸びる。
二本の腕は亀裂を裂き、さらに広げていった。
たちまち亀裂は巨大な穴となり、その中の存在は、その一歩を踏み出した。
「−−天空神・ゼウス。戦神・オーディーン。雷神・トール。軍神・タケミカヅチ。創造神・伊邪那岐大神。
太陽神・天照大神。……まだまだ居るね、名のある神のオールスターだ」
「……なぜ……ここまでの神が……?」
「彼らとて、死ぬのは御免だという訳だね。説得したら、アッサリと協力してくれる事になったよ」
「たわけ、誰が好き好んで貴様のような胡散臭い男に力を貸すものか」
「おっとゼウス様。それ僕じゃないです。っていうか『6番目』は何をしたんだ……」
「神の座に侵入して全兵を拘束、解放して欲しくば協力しろ。との事だ。貴様がいう6番目とやらがした事はな」
「……うわぁ……下衆だ……何やってんだあの馬鹿……」
頭を抑え、頭痛を堪えるようにルークが呻く。
少なくとも、前まではこんな性格ではなかった筈だ。人の迷惑など知った事ではない傍迷惑な奴だった。
それが他人に対する迷惑に悩んでいるなど、以前彼と会った者達にとっては奇妙な光景だった。
「……っと、いけないいけない。時間が無い。よく聞いてくれ」
アルマはましろ達の方に向き直ると
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