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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十五話 激戦、熱戦、大激突!
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か楽しそうな微笑みを浮かべるなのはの姿が有った。

「行くよ……!クラナ!!」
それは、もしかしたら彼女にとっては無意識に出ていた言葉だったのかもしれない。ようやく正面から向き合っている彼女に息子に対して……それはおかしな形だとは思う。歪であろうとも思う。しかし、それでも……彼女にとってその時間が、今まで目の前の少年と過ごしてきた日々と比べて、楽し過ぎたから、思わず口に出してしまった一言だったのかもしれない。

何気なく出たその言葉が、何かを起こす事など、本来ならば在りはしなかったであろう。それはごくごく普通の、スポーツとしての今の状況を楽しむための気合いとして表れた一言として処理され、彼女はそれを口にした事すら、数秒後には忘れていたかもしれない。

しかしこの場にいて、たった一つ彼女にとってイレギュラーが有った。それは……

「っ……上等です!!」
「……!?」

──それは、今の時間を楽しんでいるのが、彼女だけでは無かった事だ──


それは、笑顔だった。

ほんの、一瞬では有ったけれど、
確かめる暇もないほどの、刹那では有ったけれど、

もう、ずっと昔になってしまった時間の中で、なのはが毎日のように見ていた……ある少年の笑顔だった。


「ストライク・スターズ!!」
「デストラクト・バスター!!」
互いに放った砲撃が激突して辺り一面が桃色の魔力光に包まれた。









──それとも……誰かを……──








「これって、ラストバトルだっけ?」
「まだ中盤の筈だけど……二人とも、熱いわね〜」
セインの呆れたような一言に、メガーヌが微笑みながら言った。

「「…………」」
そんな二人の真ん中で、チビッ子二人はポカーンと口を半開きにしてモニターにくぎ付けになっていた。

────

同じころ、別の場所では、ライノが少し遠くで起こった多量の魔力光を見て、ニヤリと笑っていた。

「おぉ、派手にやってんなぁ……さて、ルーお嬢もそろそろ動くかね?そうなるとまぁ……そろそろお前も退場しとくかい?」
「くっ……」
そう軽い調子で言ったライノの視線の先には、バリアジャケットをボロボロにして膝を付く、アインハルトの姿が有った。

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