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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十五話 激戦、熱戦、大激突!
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注意深く観察し、まるで何かタイミングを合わせるかのように。だ。それを見て、加速していた思考速度の中で反射的に思い出した事が有った。
ずっと前に、スバルが何処かで言っていた言葉。

『えーん!なのはさんのあれ反則だよぉ、攻撃に夢中になったら躱せないよ〜!聞いてる?ティ〜ア〜』
『あぁ、もう煩い!』
と、これだけだと全く参考にならないのだが、“あれ”が何であるか分かっていると話は別だ。
アレと言うのは、スバルに曰く、「なのはさんの近接封じ必勝パターン」で、その名も拘束盾《バインディング・シールド》。任意のタイミングで発動し、展開すると言う点に置いてのみでは通常のシールド系魔法と同一だが、違う点が二つある。
一つは、命中した攻撃を「噛む」と言う特性が有る事。これによって、一瞬攻撃の動きを停止させる事が出来る。これが第一段階。
二つ目は更にシールドからなのはお得意の「激堅」のチェーンバインドが飛び出し、相手の武器ないし拳を完全に拘束してしまう事だ。

これが近接格闘技者にとってどれほど脅威であるかは、言うまでもあるまい。しかも仮に掴まってしまえば、あとは桃色の光が自身を飲み込むのみである。

そして案の定、跳び退ったクラナの視線の先には、クラナの放とうとしていた拳のコース上に、小さなシールドを展開しているなのはの姿が有った。
顔は若干驚き顔だが、こっちは冷や汗全開である。

「にゃはは、残念。でもっ!」
「っ!(くそっ!)」
そう言って、なのはは悪戯っぽく笑った。表情こそ可愛らしい限りだが、向けられた相手にとっては悪魔の微笑み以外の何物でもない。
拘束盾を躱しても、戦闘は其処では終わらないのだ。と言うか寧ろなのはとしては此方が本命だ。躱した先に行き成り地面から大量チェーンバインドが現れ、クラナを拘束しようとする。ちなみに其処は、先程までなのはが立っていた場所だ。恐らく事前に設置しておいたのだろう。

「(誘導されてる……!なにが「ばれちゃった」だよ!元々織り込み済みじゃないか!)」
内心で我が母ながら人が悪いと悪態をつきながら、クラナはそれらを左に飛んで全力で回避しようとする。加速魔法によって機動力の上がっていたクラナは後手で在りながら何とかバインドの中心からは逃れる事に成功するが……

「くっ……!」
右手が逃れきれずに掴まり、クラナの動きが止まった。
その間に既になのはは次の動作に入っている。マガジンからカートリッジを二発ロード。使用魔力量を瞬間的に一気に引き上げ、再び桃色の光が杖の先に収束する。

『あぁもうっ!アル、カウントして!返すよ!』
[Roger!]
「エクセリオン──ッ!!」
アルとクラナが短い会話を交わし、クラナが構えた瞬間、それは発射される。

「──バスター!!」
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