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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十五話 激戦、熱戦、大激突!
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速する。

「───ッ!!」
「っ……!」
自身の間合いに入った所で攻め切らんとばかりに打撃の乱打が始まる。なのはは持ち前の反射神経と対応力、豊富な戦闘経験からくる直感で次々にそれらの拳を受け止め捌いて見せるが、並みの上級格闘戦技使い相手で有ればともかく、クラナを相手にそれをする事は常識的に見ればいくらなのはといえども少々荷が勝っていると言えた。
何しろ通常の移動では無く高速近接格闘戦をさせたならば四つ目の時点でフェイトにすら匹敵するかそれ以上の能力を持つ少年である。元来中遠距離専門のなのはでは、近接で長時間捌ききる事は難しい。が……

『だから何でこの人それでも防げるの!?』
『まぁ、《エース・オブ・エース》ですから……』
「っと!!」
それでもなお、なのははクラナの拳を後退しつつ十発近く防いで見せていた。

「(凄く正確で堅実な拳……土台がしっかり固まってる上に、ちゃんと磨いて在るのが分かる……)」
拳を受けながらも、なのはは彼女特有の教導官としての眼は、クラナの事を冷静に分析していた。
昨日の夜、フェイトに言われた。

『明日、もしクラナと戦う時が有ったらね、きっとなのは、びっくりすると思う』
「(うん……本当……)」
ずっと前には……いや、本当は、まだ四年しかたっていないが、もう遠くなってしまった日々の中では、なのはもフェイトも、今よりずっとクラナの事を知って居た気がする。
勉強を隣で教えて、魔法を一緒に使って、格闘術の練習をしていた少年を、笑顔で応援していた。

けれど、少年との距離はあの時から遥かに遠くなってしまって、今はもう、クラナの力は愚か、何を思っているのかすらわからない。

だから、いつの間にか自分が知る少年から、遥かかけ離れた力を持った目の前の少年を見た時、驚くと同時に、なのはの中には疑問が生まれた

「(どうして……)」
ほんの少しの……けれどきっと大切な、疑問が。


────

何度も何度も、クラナの拳は防がれる。高速格闘による押し切りを信条としているクラナにしてみると、射砲撃中心の魔導師に此処まで防がれるのは軽くへこむレベルの話なのだが、まぁそれは良い。
とは言え、全て防がれるのではお話にならない。打ち込みが九発目に達した時点で流石にクラナの拳もなのはの防御を抜け、レイジングハートを弾く。そのままなのはの顔面直撃コースで右の拳が……

「っ!!?」
[相棒!?]
届く寸前で、クラナはなのはから全力で拳を引き、その場から飛びのいた。
拳をなのはにぶつけようとした瞬間、なのはの眼が少しだけ見えたのだが……

「あれ!?ばれちゃった!?」
「(あっぶなぁぁぁっ!?)」
その瞳が、明らかに何かを狙っている顔をしていたのだ。具体的に言うと、クラナの拳の動きを
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