貴族
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私なのだろう」
もう疲れた。
――――――――――――
「戻れ! マスター!」
アーチャーの怒鳴り声がする。
「嫌よ!」
ここでフーケを捕まえて私が優秀なメイジであることを皆に証明するんだから。
それに……。
「魔法を使える者を貴族と呼ぶんじゃない! 敵に後ろを見せない者を貴族とよぶのよ!」
そう、私は貴族なのだから。
あぁ、でもやっぱり無理かも。
このゴーレム大きすぎでしょ。
あ、大きな拳が目の前に……。
――――――――――――
「私は反対だ、マスター。相手は手練れのメイジなのだろう? 君にはまだ早すぎる」
出てきたと思ったらこれだ。
こいつは小言しか言えないのか。
「黙りなさい。いい? 目の前で堂々と学院の物を盗まれて、挙句怖いから誰かに任せて安全な所で待っているだなんて、私にはできないわ。あんたがついて来なくても、私は行くわよ」
――――――――――――
「なるほど、君が私を召喚した理由はその頑固さから、かもしれないな」
短い走馬灯の後耳元で聞こえた言葉は、いつもの皮肉気なものではなくて、どこか親しみを感じさせるものだった。
「あ、あんた……」
「さてマスター、こんな場面だが言わなければならない事がある」
ゴーレムの攻撃を私を抱えたままヒラリと躱し、アーチャーは言った。
「私は以前、一級品の剣を持っていると言ったがな、あれは嘘だ」
ふざけんな!
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