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101番目の舶ィ語
第ニ十話。託された想い
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ぱり女の子を抱き寄せたりしたかぁ」

突然聞こえてきた聞きなれた声。
辺りを見回すと俺の首筋がやたらと熱くなり。そこから赤い光の粒が、まるでシャワーのように無数に溢れ出した。

「そうなるかな、と思って首筋に仕込んだんだけど……ビンゴでもちょっぴりジェラシーな気分になっちゃうものだね」

赤い光の粒が集まってぼんやりとした姿が実体化する。

「よいしょ、っと」

その光のシャワーが収まると、そこにはキリカが佇んでいた。

「ここが夢の中かぁ、そして君が『神隠し(チェンジリング)』ちゃんで、……あっちが噂の『人喰い村(カーニヴァル)』朱井詞乃ちゃんかな?」

『神隠し(チェンジリング)』ちゃんと呼ばれた少女は目をパチクリさせながもキリカに尋ねる。

「え、ええと……キリカ、さん?」

「へえ、ちゃんと表の音央ちゃんの情報は得てるんだね。そりゃそうか。そうじゃなきゃ、モンジ君の事を狙えないもんね」

訳知り顏をしてきは色々確認していた。

「ええと、キリカ?」

「あはっ、痛くしてごめんね、モンジ君。でも浮気男の罰としては軽いよね?
直前まで私とあんなにラブラブだったのに、夢の中に入った瞬間にそっちの『神隠し』ちゃんとイチャイチャしてたんだもん」

「うっ、み、見てたのか?」

「うん。そのための刻印だったからね」

俺の首筋に人差し指を当てて、クスッと笑いウィンクするキリカ。
ああ、ちきしょう。可愛いな。

「ちなみに、頭の中を駆け巡っていたのは、私の小さな小さな蟲達です」

「うおおおぉぉぉい!」

魔女の刻印怖いな??
キリカの事だからただのキスマークじゃないと思っていたが、まさか直接蟲を体内に入れられていたなんて。
……魔女おっかねえな。

「でも……やっぱり『神隠し』ちゃんの『ロアのセカイ』の中だと、あんまり本調子にはなれないなあ。
モンジ君に送り込んだ私の情報因子が少ないってのもあるけど」

ジジッとまるでGIII(ジーサード)が使う光屈折迷彩(メタマテリアル・ギリー)のコートが出すようなノイズ音と共に、キリカの体が一瞬歪んだ。
……どんな状態か、詳しい状態はわからないけど……。

「凄いんだね、魔女って」

「魔女だからね」

つまりそういう事なんだと納得してしまう。

「というか、やっぱり君は『神隠し』の……音央、なのか?」

キリカの言葉から察すると、この着物少女(イコール)音央という事になるが……。

「えっと、その……」

その少女を見ると少女は困ったように視線をきょろきょろさせ、頬を染め、おたおたしている。
確かに顔立ちと、体つきは音央なのだが。
あのツンツンっ子の音央とはあまりにも態度が違うので同一
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