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101番目の舶ィ語
第十九話。奈落の底で……
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いそうになる中。
頭の中でそんな声が響き。それと同時に……。
ぎゅうぅぅ、と前から強く抱き締めてくれる感触と。
背中から励ますかのような熱さがあった。

______そうか、これは。
思い出す為に必要な苦しみなんだ。

『出来ない』を『出来る』に変える為に必要な痛みなんだ。
だったら、これに……。


『負けられ……るかよおおおおぉぉ??』

負けられない。
負けてたまるかよ。
俺の桜吹雪()を……

「散らせられるものなら……散らせてみやがれええええぇぇぇ??」

目の前の少女を力強く抱き締めながら叫ぶ!
背中の熱さを信じる。
頭の中の俺にも負けたくない。
頭を駆け巡る激痛さえも頼りにする。
そうだ。

「俺は……………………!」

眠る前に、熱いキスをしてくれた少女を思い出す。

「俺は………………!」

異世界から俺を探しに来てくれた、俺のメイドさんを思い出す。

「俺は…………!」

いつだって、背中を守ってくれる少女を思い出す。

「俺は……!」

ロアとなっても変わらずに接してきた、自分の義妹を思い出す。

「俺は??」

そして、そんな彼女達を自分の物語にした。
『俺』自身を思い出す!

そうだ……俺は。
いや、俺()は……。

『101番目の主人公(ハンドレッドワン)』、一文字疾風だあああ??』

『101番目の主人公(ハンドレッドワン)』、遠山金次だあああ??」

絶叫した瞬間。
頭の中で何かが弾けたような、そんなイメージと。
まるで鏡に向かい合う俺とアイツの姿がイメージして……。
そんなイメージと共に。
俺の視界は白くなり……。






俺は、『俺達』は一つになった。
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