第十八話。魔女の刻印《キスマーク》
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気にしたんじゃないのかな?
自分は大丈夫! 全然神隠しなんて関係ないよ、って」
「あー、ヤンチャだったみたいだからな」
そう言えば、女の子が行方不明になったという話をした時、音央は言いづらそうにしていたな。
それに昔はヤンチャだった、とかも言っていたな。
「いつも以上にテンションを上げて元気に騒ぐ音央ちゃん。大人から見れば、恥ずかしさのあまり失敗の埋め合わせをしているっていうのは一目瞭然だけど……子供達にしてみると?」
「……『まるで別人になったみたい』……か」
なるほどな。噂っていうのはそうやって連鎖していくものなんだな。
そうやって噂されたから音央は……。
「チェンジリングっていうのは元々、妖精と人間が入れ替わるっていう類の神隠しだからね。
音央ちゃんが妖精と入れ替わった、と思われたから出来た噂の可能性が高いよ」
妖精と人間が入れ替わる、都市伝説。
別人になって戻ってきたと思われた音央。
だから______アイツが『神隠しのロア』になってしまった。そういう事か。
「だけど、音央は自分で神隠しを密かにやっていたにしては、ロアに詳しくなかったぞ?」
「そこなんだよね。自分で密かにやっていたにしては、あまりに普通の女の子ぽかったし。
無意識のうちに『神隠し』をしていたんだとしたら、そんな事ってあるのかなぁ、なんて思っちゃうし……だからね、モンジ君」
キリカの後に続いてやってきたのは……。
堺山ワンダーパークに近い道路。
人里離れたその場所に、電話ボックスがあった。
「君がその謎を解明してきて。多分、君と音央ちゃんの縁は深い。きっと彼女は……」
「……『百物語』の一人、か」
キリカにそう言われた俺はDフォンを取り出すと、カメラを電話ボックスに向ける。
おそらくこの場所が、この電話ボックスが、音央が一晩過ごした場所なんだろう。
「電話系にはトラウマがあるんだがなぁ……」
「『人喰い』系にもあるでしょ?」
『電話系』の『月隠のメリーズドール』。
『人喰い系』の『魔女喰いの魔女』。
そして、『人喰い村』の影に隠れた、『神隠し』。
「まあな。つまり……どっちもキリカや一之江に縁があった話だったのか、これは」
なんとなく、そんな繋がりに苦笑いしてしまう。
そんな事をしているうちにDフォンのカメラが電話ボックスを捉えて映し出した瞬間。
ピロリロリーン♪
Dフォンからメロディーが流れた。
「コード取得だね、これでモンジ君は『101番目の百物語』として……」
「『妖精の神隠し』に挑まないといけなくなった、というわけか」
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