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101番目の舶ィ語
第十七話。夢の少女の正体は……
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い!
なーんて、思うのは浅はかってもんだ。
だって現実にそんな事をしてくれる女の子はどれだけいる?
仮にいたとしたら……その子はよほど束縛が強い子か、計算高い女の子なんだと、俺は思う。
きっと男受けするような仕草や表情を浮かべて自身に都合のいいように言う事を聞かせているんだ!
まあ、これはあくまで俺の意見だけどな。
そんな美少女なキリカが満面の笑みで俺の家の前にいる。
……そういえば似たようなシチュエーションが一之江であったな。
なんて思い出す。

「よお、おはよう! キリカ」

「うん、おはよう、モンジ君っ!」

「こんな朝っぱらからどうしたんだ?」

キリカと早朝ランニングの思い出といえば……あの日の朝を思い出す。
深い霧と大量の蟲に包まれたあの日を。
まさかとは思うが……キリカは『魔女』だからな。
もしかしたら……という可能性もある。

「大丈夫。今日は食べにきたんじゃないし。むしろ、私はモンジ君に食べられちゃった女の子みたいなものだからね」

今日は(・・・)という部分に不安を感じつつ、すぐ様突っ込みを入れる。

「待て! その言い方は誤解を招くから禁止な」

「これから美味しくいただかれちゃいます?の方がいい?」

言葉を変えて言ってきたが……それも誤解を招く言い方だな。
まあ、いいや。もう諦めた。
キリカみたいなタイプは言うだけ無駄だしな。
しかし諦めたが言われっぱなしなのもアレだな。
よし、少し乗ってやろう。

「もう、ご馳走様だ」

「わっ、もう食べられちゃった??」

大げさに驚きつつ、俺に手を差し出しながらニッコリ笑いかけてきた。

「行こっ」

「ああ」

溜息混じりに呟いた俺はその手を取ると、キリカと一緒に歩き出した。





2010年。6月10日。境山山道。


俺とキリカは2人だけで歩いていた。
肩を並べて手を繋いで。
それはいわゆる恋人繋ぎというやつだった。
恥ずかしいのとヒスりたくない衝動で何度も手を振り払おうとしたが、その都度キリカがぎゅうううと手を握ってきたので振り払えなかった。
何故か、ここで拒んではいけないようなそんな気がした。
そんな事を思ったその瞬間、隣を歩くキリカの、その髪からふわりといい香りがした。
俺が見ている事に気付いたのか、キリカは俺を見上げてニッコリと笑った。
その表情を見てようやく気付いた。
______優しくして貰っている、という事に。

「音央ちゃん、見つからないね?」

キリカが優しい声色で発した。話題はもちろん、音央の事だ。

「そうだな。よく言う話しだけど、警察も動けない……いや、動かないんだな」

「私達くらいの年齢の女の子は、ちょくちょく
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