第十七話。夢の少女の正体は……
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の御飯とお味噌汁。魚の塩焼き、煮物、漬け物に、そして……お茶。
どれも美味しそうな料理だ。
何で食べてはいけないなんて思ったんだ?
不思議に思いながらも俺は箸を手に取る。
「いただきます」
箸で料理を摘み、一口目を口に運んだ。
……その料理は、控えめな味付けなのにとても美味しくて、『素朴』な味わいがする、まさに彼女のイメージそのままだった。
「うん、美味しいよ」
「あ……ありがとう、ございます……」
俺の言葉に俯いた彼女の顔がほんのり赤く色づいていて、ドキっとしてしまった。
こんな美少女に手料理を作ってもらえるなんて俺は幸せものだなぁ、としみじみ思った。
この穏やかで静かな時間がいつまでも続けばいい。そんな事も思ってしまう。
「あの……」
そんな事を思っていた時だった。
俺が食べる様子をじっ、と見つめていた彼女が口を開いた。
「ん、なにかな?」
「あの……もし良かったら、ですが……」
ほんのりと頬を赤く染めながら、瞳を潤ませて彼女は言った。
「ずっと……一緒にいてくれませんか?」
彼女からの突然の告白。
「あっ……ん、えーと、だな……」
つい今しがたまでは、この時間がいつまでも続けばいいと思っていた俺だが。
なのに、何故だか即答ができないでいる。
答えはすでに決まっているのだが……なんとなく。
そう、なんとなく______この少女を見ていると……。
彼女の顔が思い浮かんだ。
いや、その顔に見覚えはない筈なのだが……。
「……音央?」
なんとなく______
その名前が自然と口をついて出てきた。
「つ?? 何故??」
そして俺がその名前を口にした途端、彼女が目を見開き、慌てて立ち上がった。
その瞬間______俺の中に、音央という少女に関する大量の記憶が流れ込んできた。
あの日、物憂げな表情で別れた少女。その後、忽然と姿を消して、どこを探しても見つからなかった事。
『神隠し』に遭ったんだ、と囁かれ初めている事______。
そう、この夢は!
「いや、お前は『神隠し』か??」
「つ、いや!」
音央と『同じ顔』をした少女は、逃げ出すように立ち上がると、一気に駆け出して障子を開けた。
障子の、その先にはちょっとした板張りの廊下があって、そして庭に通じる窓もあり……。
「つ?? あれは……」
そこは見覚えのある場面だった。
少女が『外』に走り出すと、俺の視界が揺らぎ……ぐにゃりと風景が歪んで、足が重くなり、前に進めなくなった。
まるで、強制的に目覚めさせようとしている……ようだ。
「ま、待ちやがれっ!」
追いかけようとしても、身体は言うことを聞かず、なんだか、身
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