No.2 猫と少年
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ここは貴族の建物と思うくらい大きな建物の中。
ビー玉のように透き通った球がコロコロと転がっていく。
突然そのたまにヒビが入った、そう感じた瞬間たまは何もなかったようにまた、コロコロと転がり始めた。
それを見た一人の者が注意をする。
「ウルティアよ、会議中に遊ぶのはやめなさい。」
どうやら会議中だったらしい。
「だって暇なんですもの。ね?ジークレイン様。」
「おーー、暇だねえ。誰か問題でも起こしてくんねーかな。」
遊んでいたウルティア、と呼ばれた女性は反省の色を全く見せずに近くにいた若者を巻き添えにした。
若者はそれに乗り、周りを一層怒らせるような発言をした。
案の定、周りは口に出して怒りをあらわにした。
「つ ‥慎みたまえ!!」
「なんで、こんな若造どもが評議員になれたのじゃ!!」
「魔力が高ェからさ、じじい」
「ぬぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
ココにいる者は評議員で、それは魔力が高くないとなれないものらしい。
この中ではこの二人が一番若いっぽい。
ヒートアップした他の議員をなだめるように1人のある議員が口を開けた。
「これ‥‥双方黙らぬか。魔法界は常に問題が山積みなのじゃ。
中でも早めに手を打ちたい問題は‥‥」
議員はそこで1泊おいてから
「妖精の尻尾のバカ共じゃ。」
と、そう言った。
ここは、ハルジオンの街。
この街の駅で駅員さんが困り果てていた。
「あ‥あの‥お客様 …だ ‥大丈夫ですか?」
駅員の目線の先には電車で酔ったのか、目を回した少年と2本足で立ち、なおかつしゃべる猫がいる。
「あい。いつもの事なので。」
喋れそうにない少年の代わりに隣の猫が答えた。
なんとも異様な光景だが、そこは気にせず駅員はホッとして去っていった。
「無理!!!もう2度と列車には乗らん ‥‥うぷ 」
「情報が確かならこの街に火竜がいるはずだよ、行こ。」
少年は喋れるようになったが、やはりまだ調子が悪いらしい。
連れの猫はそんなことには気にもとめず、今後の予定を言いながら歩き始めた。
「ちょ‥‥ちょっと休ませて‥」
「うんうん、―――――あ、」
猫は少年を気づかってか、少し休ませてあげることにした。
さっきの行動と正反対だがそこは気にしないほうがいいのだろう。
が、ちょうどその時電車が出発してしまった。
「出発しちゃった。」
ガタン、ゴトン
音を鳴らしながら電車は走り去っていった。
風に乗ってガタゴトという電車の音と、「助けて」という少年の声が聞こえたような気がした。
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