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ルドガーinD×D (改)
五十四話:戦いの始まり
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勢いで殺すなんて言ってしまったけど今の発言は仮にも主神に対しては不味かったか? まあ、本人も笑っているし、お供の銀髪が綺麗なヴァルキリーの女性も俺に対して注意すべきかどうかかなり迷っているみたいだし、お咎めはなしかな。


「そう、目くじらを立てるでない。別に減るものでもないじゃろう」

「減るさ。具体的にはお前の寿命がな」

「あの……一応は主神であるオーディン様に対して無礼ですよ」

「ロスヴァイセ。お主も相当無礼だと思うのじゃが」


我慢しようと思ったけどやっぱり無理だった。つい、喧嘩腰で話してしまう。やっぱり俺は黒歌の事となるとかなり心が狭くなる傾向にあるな。まあ、治す気もないけど。それとお供のロスヴァイセさんが俺に若干申し訳なさそうに注意してきたが一応とつけている辺り元々彼女の中でのオーディンの地位は高くないらしい。

多分、毎日のようにセクハラを受けているんだろうなと、俺はねぎらいの眼差しを向ける。すると、向こうもそんな視線に気づいたのか大丈夫ですよといった感じの哀愁の漂う笑顔を返してきた。その哀れさにどこか他人とは思えずに頑張ってください、と視線を再び返すが、俺がずっとロスヴァイセさんの方を見ていたことに嫉妬した黒歌が俺の頭を小突いてきたのでそこで視線を切ってオーディンに戻す。


「それで、俺に何か話があるのか?」

「ほっほっほ、そうじゃ。ワシがわざわざお主を呼んだのじゃ……異世界の若者よ」

「……何が目的にゃ?」


雰囲気の変わったオーディンに俺は警戒心をあらわにして睨みつける。隣の黒歌も冷たい声でオーディンを問いただす。だが、オーディンは先ほどとは打って変わっていやらしい視線は一切向けることなく静かに視線を返すだけだったがやがてゆっくりと口を開く。


「ワシはミーミルの泉に片方の目を差し出して、魔術、魔力、その他の術式、結界に関しての知識を得た。じゃが……知識欲というものは幾つになっても衰えんものでのぉ。爺は知りたがりなのじゃ。特に異世界という摩訶不思議な物はのぉ」

「俺が居た世界の知識が欲しいのか。それを俺が話すメリットは? そもそも、どうやってそれを知ったんだ?」

「そう、矢継ぎ早に質問するでない。まず、どうやってそれを知ったかじゃが―――お主と同類の者から聞いたのじゃ」


その言葉に俺は目を見開く。俺と同類の人間……それはつまりは、新しい審判を受けているクルスニク一族だという事だ。問題はそれが誰かだけど……オーディンがこうして俺に聞きに来たという事は、そいつは少なくとも俺の事をしっている人間で、尚且つ、オーディンに対して協力的な態度を取っていない人間という事になるな。

後者の方は別にそこまで重要なことじゃないけど、俺を知っている骸殻能力者となる
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