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乱世の確率事象改変
其処で繋いだ友達のカタチ
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も合わせて口ぐちに言うと、また勢いよく彼女が立ち上がった。

「徐晃、きさま〜っ、人が真剣な話をしているというのに!」
「だからなんで俺だけなんだよ!? あと立ち上がるな! 近づくな!」
「む……おお、そうか……ふふ」

 咄嗟に目を瞑った俺の発言を受けて、なぜか納得といった声を上げた春蘭。
 不思議に思っていると、

「ふははっ、目を瞑っているからいつものように反抗できまい! 己の矜持を曲げてでも私の肢体を見るか、大人しく殴られるか、裸で無様に逃げ惑うか、どれか選べ!」

 こいつ、いつもより頭を回してやがる。だからなんで俺だけにそんな突っかかりやがるんだ。
 まあいい。俺にはこの不利を打開するとっておきの交換条件がある。

「バーカ、風呂で騒ぐなら店長からのおやつの品少なくしてやるかんな」
「なにっ!?」
「穏やかで幸せな一時の邪魔をする奴は料理を楽しむことも出来んだろ。あーあ、せっかく明後日から生クリームを使った新しい品が出るのになー、霞と秋蘭は大人しくしてくれるからそっちに回しちまおっかなー。残念だなー」

 ピタリ、と彼女の気配が止まった。怒りの雰囲気が伝わってくる。そりゃあ店長からのおやつは楽しみなんだから困るだろう。

「ひ、卑怯だぞ徐晃!」
「お前の方が卑怯だこのバカ! 俺だって一応男なんだ! お前さんみたいな美人の裸見たらイロイロと困るんだよ! 殴られるのも嫌だし無様に逃げるなんてのも癪だ!」

 言うと彼女は大人しく引き下がった。少し拍子抜けなんだが、霞と秋蘭の苦笑の意味もよく分からんし……まあいいや。
 春蘭は慌てて浸かったのか水音が一つ鳴り、ぶくぶくと泡を吹かせる音が響いた。羞恥心でも持ってくれたなら幸いだ。

「ぐぬぬ……せっかく徐晃をやり込めたと思ったのに……」
「クク、十年早ぇ。俺をやり込めたかったら華琳かゆえゆえを呼んで来い」
「おいっ! 華琳様のお美しい肢体を見たいと言うのか!」

 一寸思考が止まった。直ぐに見たいと思った俺に自己嫌悪しか出ない。というか否定しないとやばい。

「何故止まる……まさか本当に――――」
「な、違う! バカ野郎! そんなこと言ってないだろ!?」
「確かに言ったじゃないか! 華琳様を呼んで来いと! やはり殴らなければならんようだな!」
「お前バカだろ!? バカ過ぎ!」
「バカバカ言うな! それと風呂で騒ぐな大バカ者!」
「お前に言われたくないっての!」

 なんでこいつはこうも言ったこと言った事に返してきやがるのか……ああ、頭が痛くなってきた。憩の時間は俺には無いのかよ。
 言い合ってる俺達を見てか、霞と秋蘭が大爆笑し始めた。

「くっ、あははははは! やっぱあんたら好きやわぁ……なんでいっつもそんなガキみたいな言
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