其処で繋いだ友達のカタチ
[6/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「お前が益州に向かうと同時に大々的に発する名前になるが……魏、とするらしい」
ああやっぱり。一応其処は変わらないようだ。
不振がられないように一寸だけ目を見開いて驚いてみせておいた。
「……魏、ね。じゃあ昔の魏火龍七師とかみたいに俺らが軍務の筆頭ってわけかね」
「魏火龍七師ってなんや?」
「始皇帝が治める前の戦国乱世にあった魏の七人の英傑、だったかな? 秦国六大将軍とか趙国三大天とか、昔も結構そういう役職ってか呼び名はあったって聞いたことがある」
マンガの創作だが、とは言わない。こういう時は言ったもん勝ちだ。書物になって残っているかも怪しいし、五虎大将軍だって演義限定だったと思う。
へぇ、と嬉しそうに笑う霞は、昔の乱世を思い浮かべて、自分が英傑達と同等のようで嬉しいらしい。
春蘭は当然というように鼻を鳴らし、秋蘭は俺の話に興味を抱いた。
「そうなのか? 始皇帝時代の話は結構書物でも読んだのだが聞いたことが無いぞ?」
「俺も記憶が曖昧でな、誰かの創作本だったのかもしれん。まあ、そんなのはかっこよければいいんだよ。クク、魏の五大将軍ってのは中々にかっこいいじゃないか」
呂布に大きく一回、郭図にある意味で一回黒麒麟は負けてるが、せめてこれ以上負けないようにしないと。常勝不敗の徐晃には届かないが、こいつらに並び立つにはもう負けは許されない。
だって、張遼はリアル無双する山田、夏候惇は目玉をむしゃむしゃするアニキ、夏侯淵は西涼と羌族絶対倒すマン、張コウは蜀に恐怖を刻む本物のジョーカー。
霞の用兵は間違いなく神速で、春蘭の在り方はバカ正直だが史実に勝るとも劣らず、秋蘭の視野の広さと対応力はなるほどと納得せざるを得ないし、明の作る地獄は間違いなく絶望しか起こさない。
うん。もし史実みたいな将だとしても、今のこいつらだとしても、俺が敵ならこんな将軍達とは絶対に戦いたくない。
「魏武の大剣、夏候惇。魏武の蒼弓、夏侯淵。神速の張遼。黒麒麟、徐晃。紅揚羽、張コウ。
二つ名付きで呼ばれている我らをひとまとめで五大将軍にしたのだから、向けられる期待も責任も相応のモノになる。凪や沙和、真桜、季衣や流琉にはさすがに荷が重いだろうとご判断されてのことだ。かっこいいからと浮かれるなよ? お前はガキっぽい所があるのだからな」
何故か春蘭が頭のよさげな発言をしやがった。偶にこんなことがあるからこいつは困る。お前さんに諭されるってのはびっくりだよ。
とんでもないモノを見たというように秋蘭と霞の空気が変わった。
「な、なんや春蘭、今日は悪いもんでも食ったんかいな?」
「姉者、無理はするな。体調が悪いなら言ってくれたら良かったのに」
「春蘭が理知的な発言をするとなんか気持ち悪いんだが」
俺
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ