其処で繋いだ友達のカタチ
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もきっと関係してるんだろう。あくまで自分の一番は華琳だと言いたいのか、それとも他の何かなのか。
風とかは緩く許してくれたんだが、元譲は少し違うらしい。人それぞれに考え方が違うのかもしれない。いや……自分だけ真名を呼ばせると言っているようなモノだ。俺もこいつの真名を軽く見たことになるのかもしれん。
「……そうかい。すまん、元じょ……春蘭。お前がしたいようにしてくれ」
「ふ、ふん……わ、私のほうこそ……」
視線を落として目を見た。謝る時にはちゃんと目を見ないとダメだから。勿論裸は見ないようにしてる。意識しないことが重要で、意識したらやばい。
ごにょごにょと何やら呟いているが聞き取れなかった。いつもでは見られないような赤い顔と姿に吹き出しそうになった。どうにか堪えたが霞が噴き出しやがった。
「っ、春蘭、あんたっ……もじもじして、くくっ……はっきり言やぁええのに」
「ぐ、知らん! とにかくだ徐晃! これからは真名で呼べ!」
「ん、りょーかい」
「ああ、私も呼んでくれ。すまないが姉者と同じ理由でお前のことは徐晃と呼ばせて貰うが」
「構わんよ俺は。華琳みたいに意地張ってるわけじゃなけりゃあ嬉しいし」
二人とも認めてくれたってのは嬉しいことだ。俺としては願ったりで、暴走した時に止めてくれる鎖は強い方がいい。
「ありがとう。同じ“五大将軍”として、これからよろしく頼む」
引っ掛かる単語を言われて首を傾げた。五大将軍ってなんだよ。聞いてないぞ?
「五大将軍?」
「なんだ、聞いてないのか? 私と秋蘭、霞とお前、そして明には華琳様から特別な役職が与えられたのだ」
「新しい国として始動するにあたり、軍事で他勢力に脅威を与えられるようにな。することは変わらんが国の内外に大きな影響を与えられることだろう」
明までもか……否、明はあれか。例え戦った敵国の将であっても実力があれば優遇するっていうアピール。年功序列や所属期間優先にしないことこそ意味があるってわけだ。
普通なら内部の諍いを伴うが、この軍なら問題ないだろう。
――そういえば…俺の世界の魏にも五将軍ってあったな。アレは五虎将に対抗して名付けられた名前で夏候惇とか夏侯淵みたいな曹操の親類は入れてなかったはず。確か楽進と于禁じゃなかったかな。
思い出した事柄との差異が目立った。
この世界の楽進と于禁はまだ春蘭や秋蘭に届かない。戦の絶対数が少ないから戦功を立てる機会自体も少ないし、名を売るにも成長するにも足りないのだ。そのせいだろう。
「へぇ……ってか新しい国で始動って、名前は?」
まさか魏じゃないなんてことはないだろうな? さすがに其処までズレるともやもやする。曹操と言えば魏ってイメージが固着してるから違和感が大き過ぎる。
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