暁 〜小説投稿サイト〜
メフィストの杖〜願叶師・鈴野夜雄弥
第三話
〜epilogue〜
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
た。
「そうだな。」
 そう短く答えると、二人は外へと出る角谷と安原を木陰から見た。きっとこの二人は、また店へ音楽を聴きに来るはずだ。近い将来、今度は互いに愛する人を連れて…。
「さってと…今日は休みだし、どっかに行くか。」
「そうだね…そろそろ昼だし、この前見付けたイタリアンレストランにでも行こう。」
 鈴野夜がそう答えると、メフィストにニッと笑みを見せて「よっしゃ!」と言った。
 まるで親友だ。
 二人は契約によって互いを縛った。だが、それは長い歳月と共に友愛という形になったのかも知れない。それは大崎や小野田、そして釘宮にも言えるかも知れない。
「皆、幸せになるよう…。」
 快晴のどこまでも続く青空に、鈴野夜はそっと囁いた。
「何?」
 メフィストは何か言われたかと思ってひょいと振り返るが、その動作がどこか滑稽で、鈴野夜は少し笑いながら「何でもないよ。」と返した。
「ただ、良い天気だなって…ね。」
 そして二人は他愛ない話をしながら、どこまでも続く青空の下を歩いて行ったのだった。




      第三話 完



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ