暁 〜小説投稿サイト〜
処女神の恋
6部分:第六章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ロンはその一条を見て会心の笑みを浮かべた。
「これでよし」
「乙女は助かったのね」
「そうだ、後はオリオーンが彼女を助けてくれるだろうな」
「そうね、オリオーンが」
 彼はこの側にいる筈だ。ならばきっと何とかしてくれる、アルテミスがそう思った。
「けど」
 だが彼女はここでふと思った。
「何故オリオーンが彼女を助けなかったのかしら」
「さてね」
 アポロンはその言葉にはとぼけた。
「そのうち出て来ると思うがね」
「そのうちって」
「絶対にね」
 そしてここで剣呑で思わせぶりな笑みを浮かべた。
「じゃあな」
 それだけ言い残してアポロンは去ろうとする。
「少女は私が助けに行こう」
「お願いするわ」
 海に入っていく兄を見送って言う。
「それじゃあね」
「うむ」
 兄は海に入りながら笑っていた。その遠くにもの言わぬ男がいるのを確かめてさらに笑った。彼は満足していたのだ。自分の計画が上手くいったことに。そしてそのまま海の中を潜って妹の前から姿を消した。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ