6部分:第六章
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ロンはその一条を見て会心の笑みを浮かべた。
「これでよし」
「乙女は助かったのね」
「そうだ、後はオリオーンが彼女を助けてくれるだろうな」
「そうね、オリオーンが」
彼はこの側にいる筈だ。ならばきっと何とかしてくれる、アルテミスがそう思った。
「けど」
だが彼女はここでふと思った。
「何故オリオーンが彼女を助けなかったのかしら」
「さてね」
アポロンはその言葉にはとぼけた。
「そのうち出て来ると思うがね」
「そのうちって」
「絶対にね」
そしてここで剣呑で思わせぶりな笑みを浮かべた。
「じゃあな」
それだけ言い残してアポロンは去ろうとする。
「少女は私が助けに行こう」
「お願いするわ」
海に入っていく兄を見送って言う。
「それじゃあね」
「うむ」
兄は海に入りながら笑っていた。その遠くにもの言わぬ男がいるのを確かめてさらに笑った。彼は満足していたのだ。自分の計画が上手くいったことに。そしてそのまま海の中を潜って妹の前から姿を消した。
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