第十二話 【H×H編】
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中のなにかが強引に開かれていくような感覚だ。
「ぐぅ」
「くっ」
ソラも同じ苦痛を味わったのか小さく呻く。
視界が砂嵐から一気に蒼空へと変わる。
空中に放り出されたようだ。
引力に引かれて落っこちていく俺達。
「うわああああ」
「きゃああああ」
『フライ』
パニックになっている俺達を助けてくれたのは俺が握り締めているソル。
冷静にフライの呪文を使い、俺達を無事に地面へと降ろしてくれた。
「助かった…のか?」
「よかった」
無事に生きて大地を踏めた事に俺達は安堵する。
しかし、安堵したのもつかの間、俺達の体を異常が襲う。
「ぐぅ」
「熱い」
体から湯気のような物が噴出しているのが見える。
「な…これは…」
俺は自身に起きた変化に驚きつつソラの方を見る。
「精神力が勢い良く抜けていく」
ソラの方も同じ症状が襲っているようだ。
「うっ…」
その湯気は一向にやむ事は無く、徐々に俺は全身に途轍もない疲労感が襲う。
「くっ」
ソラはその場にへたり込んでしまった。
そんな時背後から声が掛けられた。
「何だ?お前らは」
振り返ると無精ひげを生やした年若の男。
「あっ…」
しかし、俺もソラもその声に答えることは出来ない。
「精孔が開きっぱなしじゃないか。お前ら念使いじゃ無いのか?」
「ネン?」
俺はそう言うのがやっとだ。
「なんだ?知らないのか」
少し考えるそぶりをした後、男は俺達にアドバイスをしてくれた。
「その湯気…オーラをそのまま出し続けると最悪死ぬぞ。死にたくなかったら自然体に構えて目を閉じろ。その体から出ている物を留めるようイメージしろ」
俺とソラは突然現れた男に警戒しつつもその助言に従う。
「血液が全身をめぐるようなイメージで頭のてっぺんから右肩、手、足を通って左側へ循環させる」
言われたとおりにイメージする。
「最後は体の周りで揺らいでるイメージだ」
するとその湯気は俺の体に纏わりつき全身から抜け出ていた感覚は無くなる。
「上手いじゃないか」
男はそう褒めてくれたが、俺達は今自分の身になにが起こっているのかも解っては居ない。
ドサッ
その音で振り向くとソラが地面に倒れ伏していた。
俺は助け起こそうとしたが、戦闘から訳の分からない裂け目に飲み込まれ、魔法を使い続けた後にこの全身疲労だ。
俺もソラを助け起こす事も出来ず、気絶してしまった。
◇
「なんだ?死んじまったか?」
行き成り空が割れたかと思ったら何かが落下してくるのを見つけ、俺は駆けつけた。
そこで見つけたのは
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