第三章
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「あの黒い靴な」
「ああ、あの靴もいいよな」
「黒くてシンプルだけれどな」
「そのシンプルさがかえってな」
「いいんだよな」
そうだというのだ。
「いや、本当にな」
「あの民族衣装見ていると祭りだって思えるな」
「いいよな」
「祭りの楽しみの一つだよ」
「あの飾りだってな」
今度はその飾りの話になった。
「腕輪、冠、頭花」
「それに首飾りな」
「どれもいいな」
「銀が奇麗でな」
「眩くて最高だよ」
「特に首飾りな」
「そうじゃ、あの首飾りが一番いいのじゃ」
祭りに出ていた長老もだ、若者達に話した。その細い目が微笑んでいる。
「長命鎖がな」
「ああ、あの首飾り長命鎖っていうのか」
「何か錠前みたいだけれどな」
「そんな名前だったんだな」
「文字通り長命か」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「命をつなぎ止めるな、長寿を願うものなのじゃ」
「ひょっとしてそれを見てか」
「爺様も長生きしてるのか」
「そうなるか?」
「だから九十過ぎまで生きていられるのか」
「その通りじゃがそれだけではない」
他にもあるというのだ。
「わしの長寿の秘訣はな」
「あれっ、まだあるのか」
「まだあるのか、爺様の長寿の秘訣は」
「あの服と飾り見るだけじゃなくて」
「他にもあるのか」
「うむ、ある」
こう言ってだ、そしてだった。
長老は若者達にだ、今度はこう言った。
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