空白期 中学編 19 「体育祭での一幕」
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」
別にあたしは普段ツンツンなんかしてないわよ。……そりゃあ、なのは達に比べれば怒りやすかったりするし、割と感情を顔に出しちゃうけど。
というか、いつあたしがあんたの前でデレたのよ。見たこともないのにツンデレとか言わないでよね。
「いやいや、その反応がまさにTHEツンデレね。バニングスさん、よく『別にあんたのためじゃないんだからね!』とか言ってるでしょ?」
そんなこと言ってないわよ!
と言えればよかったのだが、にやける彼女の顔を見たあたしの脳裏にはあることが浮かんでいた。
この子……言動から何となく分かってたけど、時折性格悪くなるわよね。ここで否定しても絶対この前の一件を出してくるに違いないわ。
この前の一件というのは、仕事で学校を休んだショウのためにノートを取ってあげたのだ。これは今年から始まったことでもなく、魔法の存在を知ってからは彼だけでなくなのは達の分も取るようにしている。
『別に礼とかはいらないからね。前からやってることだし、テストの平均が悪いと先生の機嫌も悪くなるから。だからちゃんと勉強しなさいよね』
これがそのときに言ったあたしの言葉だ。よくもまあ覚えているものだと自分自身には呆れるが、覚えていた理由は単純。すんなり渡せばいいものを何故か毎度のように覚えてしまう恥ずかしさに耐えかねて、あれこれと言ってしまったからだ。
こんなんだからすずかとかには素直じゃないとか言われるのよね……でもしょうがないじゃない。恥ずかしいものは恥ずかしいんだから。
それに相手はショウなのよ。別に特別な感情とかは抱いてないけど、異性であることには変わりないし、普段は何でも言い合えるような感じだから妙に恥ずかしくなるというか……。
「……あんたが何で周囲に嫌われてないのか不思議に思えてきたわ」
「ふふ、それは簡単な理由よ。相手はきちんと選んでるから」
「あんた、堂々と言えば許されると思ってない?」
「別に思ってないわよん。ただバニングスさんに関しては、こうしたほうが仲良くなれると思ってるけど。話し方も少し砕けてきたしね」
ぐぐぐ……この女、あたしの敵とまでは言わないけど苦手なタイプだわ。言動が適当だから何を考えてるのか分かりにくいし。ショウ、この女によく絡まれてるみたいだけどよく相手にできるわね。まあはやてやシュテルでこの手の相手は慣れてるのかもしれないけど。
「アリサさんって呼んでもいいかしらん?」
「勝手にすれば。あたしは今のままでやらせてもらうけど」
「そうツンツンしないでよ。私にはお姉ちゃんもいるんだし、クラスメイトなんだからキリエって呼んでくれてもいいんじゃない?」
「ちょっ、抱きついてこないでよ!?」
あいにくあたしはなのはやフェイトと違ってそっちの気はないんだ
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