第六章
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「合法的だよ」
「そうですか」
「じゃあ別に着ても怒られないんですね」
「悪いことをして作ったものじゃないから」
「大丈夫ですね」
「そう、だから安心して貰ってね」
そしてというのだ。
「着てもいいんだよ」
「今ここで着てみたらどうかしら」
奥さんは二人に申し出た。
「試しにね」
「はい、じゃあ」
「お言葉に甘えまして」
「ちょっと今から」
「試しに着させてもらいます」
二人も頷いてだ、そのうえで。
実際にその服を着てみた、すると。
その服を着てみてだ、お互いのその身なりを見て話した。
「エマ似合ってるわよ」
「お姉ちゃんもね」
一緒に言い合うのだった。
「可愛いわよ」
「奇麗よ」
「アパッチ族の服似合うわ」
「何かお姫様みたい」
「ははは、アパッチ族にもお姫様はいないよ」
先生がその服の二人に笑って話した。
「お嬢さんはいてもね」
「じゃあ私達今は」
「ネイティブのお嬢さんなんですね」
「そうなんですね」
「お姫様でなくても」
「そうだよ、この服はインディアン=ドレスと言われていて」
先生はここで二人に服の名前を話した。
「アパッチ族の伝統衣装だけれどアメリカ文化の影響を受けて今みたいな形になったんだ」
「そうなんですか」
「それからですか」
「こうした服になったんですか」
「こんな可愛いドレスに」
「そうだよ、ではね」
それではとだ、こう言ってだった。
先生は二人にだ、笑ってこうも言った。
「その服、楽しんでね」
「はい、大事にさせてもらいます」
「こんな可愛い服を有り難うございます」
「時々でもアパッチ族の女の子になります」
「西部劇に出て来るみたいな」
「昔はアパッチ族は悪者でね」
そのアパッチ族の先生の言葉だ。
「こうした服は好かれなかったけれどね」
「今は変わってきたんですね」
二人の兄であるセオドアが先生に尋ねた。
「そうなんですね」
「そうだよ、変わってきているね」
「こうして僕達にも受け入れられている」
「いいことだよ、ただね」
「ただ?」
「この前学校の前にネイティブ料理のレストランが出来たね」
先生はセオドアに少し苦笑いになってそのレストランのことを話した。
「そうだね」
「はい、あのレストランですか」
「ネイティブ料理というけれど」
「美味しいって評判ですよ」
「いや、味が違うんだよ」
肝心のそれがというのだ。
「あれはネイティブの味じゃないよ」
「アパッチ族のですか」
「アレンジしているね」
「僕達の口に合う様にですか」
「うん、アパッチ族の料理以外の料理もあるし」
こうセオドアに話すのだった。
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