番外編:パラレルワールドに行きます 〜その四〜
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がら本物の胃薬を隠し持っているであろうカス猫に縋り付く。もう、こうなったら恥も外聞もねえ。とにかく俺の胃を守ることだけに集中する。
「頼む…頼むから胃薬をくれ……」
「え? “イッセーちん”がまるで捨てられた子猫のような目で見つめてくるなんて……可愛すぎるにゃ!」
「もう一人の私! こっちにもその可愛いものを愛でさせるにゃ!」
「そっちも来て一緒に愛でればいいだけにゃ。ほーら、いい子いい子にゃ」
何故か、胃薬を貰いにいったら二人のカス猫から頭をよしよしと撫でられる俺。その事に顔を真っ赤にして怒鳴りつけるが二人共微笑ましそうな顔を浮かべるだけで相手にしようとしねえ。それどころか、他の奴らも全員微笑ましい気に見つめてるか、羨ましいそうにカス猫共を睨んでいるだけだった。ちくしょう! いいから胃薬を寄越しやがれ!
(黒歌様が二人だと!? ヨッシャ! キタァァァァァァァアアアアア! ウワヤッタァァァァァァアアアアアア!)
(小動物な姐さん…だと!? ブシャアアアアアアッッ!)
カス猫が好きな変態はこの状況にこれでもかとばかりに狂喜の叫びを上げて他の変態は鼻血を噴射している。因みにユニ達もエルシャと一緒にボタボタと鼻血を垂れ流している。なんだ、この状況? カオス過ぎてこの世界のグレモリー眷属共がこれでもかとばかりに口を開けてポカンとしてんじゃねえか。
『赤いの、これは一体どういうことだ! なぜ、女性最強の赤龍帝であるエルシャが変態になっているのだ!?』
『相棒のせいだ。それとだ。いつからそちらには変態がいないと錯覚していた?』
『はっ! まさか、歴代白龍皇が最近おかしかったのは―――』
『『『『“ヴァーリたん”のおパンツクンカクンカ! それから“イッセーたん”に踏みにじられたい!』』』』
ああ……ついに“ヴァーリ”の方も変態が発生したのか。俺は突如として聞こえてきた変態発言に混乱して目をグルグルと回している“ヴァーリ”を同情の目線で見つめながら現実逃避する。もう、この世界に全部置いて帰れねえかな……まあ、変態なら世界の壁を軽々しく超えてこっちに来そうだけどな。
「ふふふ、ご主人様の魅力がこの世界にもどんどんと伝わっていっているようですね。早速、布教の用意をしなければ。レイヴェル、行きますよ」
「はい、お師匠様」
「勝手にどっかに行くんじゃねえよ! 頼むから傍に居てくれ!」
これ以上の変態の増殖だけは許したくないので俺は若干涙目になりながら焼き鳥女とエルシャに縋り付く。そして、懇願するように下から二人を見上げる。これ以上俺の胃を脅かす勢力が増えたら今度こそ俺の胃が崩壊しちまう。そんな想いを込めて頼み込むと―――
「ご、ご主人様の
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