1部
40話
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事にはなっていなかった。
まず、ヒナタだが、肋骨にヒビが入った程度で内臓系には問題はなく、激しい運動はしないように言われる程度で退院。
サスケもひとまずカカシの手によって呪印を抑える封印術を施されたらしく、問題なく活動できるそうだ。
だが、リーに関しては私の予想通り手足はおよそ治療できる見込みがない、というのが医者の見解らしく、先生はその事をリーに伝えるべきか否か測りかねているそうだ。
……いかん、思考が負の方へ傾きかけたな。確かにリーの事は悲しむべきことだが、それはどこまでいっても彼の問題だ。私が頭を悩ませてどうこうする話でもあるまい。
冷たい言い方かも知れんが、彼の傷は彼がどうにかするしかないのだ。
さて、頭を切り替えつつ浴室から出て、体を拭き、着物に袖を通しつつ今日一日の予定に思考を巡らせる。
術か技かどちらに重きを置いて修行したものか。幸い、今日は晴天、体を動かすには最適とも言える。
演習場にでも赴いて午前中は一通り型をこなし、午後から術の修行とするか。
そうとなれば善は急げだ、そう考えて玄関の戸を開けた私だったが、
「ヒジリ、話がある」
……ふむ、どうやら第一歩から躓くとはな。
「親父殿、私はこれからやるべき事があるのだが?」
「では、その予定はキャンセルだ。後で部屋に来い」
親父殿はそれだけ言うと私に背を向け、本邸の方へ行ってしまった。
どうやら、人生とは本当にままならないものなのだな。
「飲め」
「……親父殿、一応言っておくが私は未成年だぞ?」
「知っているが、今日ばかりはいいだろう」
「今日?何かあるのか?」
「ああ……」
親父殿はそう呟いて酒を喉に流し込んだ。確かに私とて酒を飲んだ事が無いとは言わんし、多少は嗜んでいる。
が、規則に対しては厳格な親父殿が勧めてくるというのは余りに意外すぎる。
理由を深く問いたい所だが、このような親父殿の姿を見せられれば憚られる。
それに何時ぞやの件以来、こうして面と向かって話し合うという機会もなかった事を考えれば、これもそう悪い話でもあるまい。
「まぁ、いい。親父殿には色々と世話になっている。それにもうすぐ私もこの家を出るのだ、こういう機会もそうあるまい」
「……そうだな」
親父殿はどうにも何かを悩んでいるようだな……
「親父殿、誘っておきながらその含みのある言い方は止めてもらえないか?」
「ああ、すまない。ただ……私はお前の父として、何かしてやるべきだったのではないかと思う時が増えてな。いや、そもそも父として在れたのかすら怪しい」
「未成年の娘に飲酒を勧めながら言う台詞か?……まぁ、それを置いておけば貴方は私の父親ですよ、間違いなく。
出来損ないの白眼を持った私にも手を抜かずに柔拳を教え、様々な知
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